八卦掌、李先生の前での自主練習開始
数ヶ月にわたる李先生の講習会が一段落。一ヶ月ほど週一回のバッキーズ自主練習をし、9月になった。帰国直前の李先生が、今月は各々の自主練習を自分が見て直すことにするといわれ、その練習が始まった。
講習会が終わってから、自分で練習していて、新たな感覚が生まれていた。始めて6年に近くなって、それまで腎といわれる腰、背の裏側を使って動くことを意識していたのだが、ようやく体の中にほんの少し「丹田」のような感覚を中心に動く感覚が生まれ始めたのだ。それは、まだ弱いものの球体状の張りのようなもので、まさに身体の中心の力感とでもいえるものだった。
それを中心に動くためには、上半身の力を抜いて下半身に落とし、下腿の力を目一杯使わないとできない。易筋経で少しできた感覚で動くので、すべての動きが前より一層しんどいものになる。それを意識して一ヶ月自分んで試行錯誤していた。
そして、先週木曜日に李先生の前での自主練習が始まった。
僕や八戒さんの東京バッキーズの練習では、いつも何となく前半1時間を熊形走圏、龍形走圏、単換掌をやり、後半をそのつど習った掌法、八十八式、易筋経などをみんなでやったりした。でも、自分はこれをやりたいというものがあったら、各自やっていても誰もとがめない雰囲気で、僕としてはこの緩い感じが一番自分の練習になる気がして、按配がよかった。
なので、李先生の前での自主練習も同じように、それぞれ自分の課題と思うことをやればいいのだなと思っていた。ただ初心者は、何をしていいか、まだ自分の状態もレベルも課題もわからないので、混乱するのではという不安はあった。自主的に練習しなさいといわれると、不安になって周囲を見回してしまい、みんなに合わせようと、どうしてもしてしまう人が多いのだ。が、その場のアドリブでどうにでもなるだろうと思っていた。
実際、始めてみると、当たり前だけど走圏から始める。そのうち李先生がきて、それぞれの練習を眺めて直す。僕は適当なところで、単換掌に移り、やはり李先生に直された。自分で練習していたとき、丹田の感覚ばかり集中していたせいか、以前に直されていたのと同じ箇所を、同じように直された。頭の中正(まっすぐに立てる)、角度(ややねじりを深く)、最初の扣歩でどうしても手が下がりがちになる点(初心者には僕自身注意してたのに!)、最後の龍形に戻る寸前にところで気を抜いてしまうところ(これも前に何度も注意された)・・・・。重要なのは、馬歩で片手で後ろを抱える動作で、やはり肩が上がり、手に力が入っているところを、腰腹で動けという注意。あんなに意識していたつもりなのに、まだできていないんだよな~。
一応、単換掌はOKをもらい、次に移っていいといわれたが、休憩後、双換掌を始めたものの、やはり時々単換掌に戻らないと、どうも動きがわからない。双換掌は、すっかり忘れていて、角度の変化や上へ延びるときの次第、蓋掌への角度など、形と順番を直された。動きを流しておぼえてしまうんだよね。
初心者は、後半おもに単換掌をやり、経験者は各自双換掌などに移り、微細に検証を続けた。まだ自主練習というやり方にとまどいもあったと思うが、人数が少なかったこともあり、結果、凄くいい練習になった。僕などは、新しいものを習う(おぼえる)より、基礎を固めたい気持ちが強いので、非常に嬉しい練習だった。
こういう練習をしばらく続けられれば、今後自分達だけで練習するにも、とてもいい基準になるだろう。自分で自分の練習を検証し、課題を見いだして、自主的に続ける、というレベルになってきたといえるかもしれない。いいかえれば、自分で自分のメンテナンスをできるということで、健康志向の僕としてはじつにありがたいのである。これが練習というものではないのか、と思う。
というわけで、日曜の練習をパスし、昨日火曜の練習に参加したが、何だか李先生がくるとやはり皆指示を待ってしまうようだ。走圏のあと、単換掌を指示され、そのあと探掌練習になった。たまたま僕は探掌をほとんどやったことのない初心者の近くにいたので、教える羽目になった。李先生がきて「キミの悪いところがそのまま教えられている。それも勉強だ」みたいにいわれた。探掌はもう細かいところを忘れていて、慌てた。探掌を打つときに、どうしても前かがみになって中正が崩れる。でも、教えているとその分休めもするので、少し楽かも。
もっと自由勝手に練習してみたいとも思うのだけど、やはりみんな同じ練習したほうが安心するんだなあ。李先生も、待ちの状態でみんな立ち尽くしているのを我慢してみていられないみたい。そういう人だとは思っていたけどね(笑