竹内オサム、夏目房之介編著『マンガ学入門』ミネルヴァ書房
竹内さんからお誘いを受けて、大学でのマンガ研究に使えるテキストを、現在我々にできうるかぎりの人材に協力してもらって編もうということで、本書が企画されました。
ようやく初校がほとんど戻ってきた時点で、来年2月刊行の予定。現時点で、おそらく最良のマンガ研究水準と、実績ある研究者の顔ぶれを揃えたラインナップとなったはず。もちろん、主張の異なる人もおり、全体の論が統一されているわけではないし、参加していない重要な研究者、論者もいる。まだまだ日本の研究水準の限界を露呈している部分もあるが、それも含めて、これが研究水準全体の現状といっていいと思う。逆にいうと、これだけ広範囲にわたってマンガ研究の領域を、できるだけ広範囲の研究者の協力でカバーしようとする試みとしては、多分現在これ以上のものは望めないだろう。ここに参加していない人が誰か、なぜかも含めて、マンガ研究の現在を見ることのできる入門書だと思います。
執筆をお引き受けいただいた方々、まだ作業も残っておりますが、ありがとうございました。
以下、目次構成等
竹内オサム・夏目房之介編『マンガ学入門』
2009年2月刊行予定 予価2200円(税抜き)
連絡先 〒607-8494 京都市山科区日ノ岡堤谷町1 ミネルヴァ書房 営業部
電話:075-581-0296
FAX:075-581-0589
詳細は編集部 堀川健太郎まで
編著=夏目房之介、竹内オサム執筆依頼者(50音順)=秋田孝宏、瓜生吉則、呉智英、小山昌宏、斎藤宣彦、笹本純、清水勲、ジャクリーヌ・べルント、永山薫、中野晴行、細萱敦、二上洋一、藤本由香里、宮本大人、村上知彦、山口佐栄子、四方田犬彦、吉村和真
※中野晴行氏四方田犬彦氏は、参加してませんでした。消し忘れです。すいません。
↓
正しくはこちらです。
編著=夏目房之介、竹内オサム執筆依頼者(50音順)=秋田孝宏、瓜生吉則、呉智英、小山昌宏、斎藤宣彦、笹本純、境真良、清水勲、ジャクリーヌ・べルント、徐園、永山薫、西原麻里、細萱敦、二上洋一、藤本由香里、宮本大人、村上知彦、山口佐栄子、吉村和真
目次
はじめに
序…マンガ研究の意義と領域(夏目房之介・竹内オサム)
Ⅰ 歴史
戯画・風刺画・風俗画(清水勲)
4コママンガ(山口佐栄子)
少年マンガ(斎藤宣彦)
赤本マンガ(宮本大人)
貸本マンガ・劇画(呉智英)
少女マンガ(藤本由香里)
成年マンガ(西原麻里)
エロマンガ(永山薫)
マンガと雑誌(二上洋一)
マンガと新聞(清水勲)
マンガと単行本(宮本大人)
Ⅱ マンガ家
北沢楽天(清水勲)
岡本一平(清水勲)
宮尾しげを(竹内オサム)
田河水泡(山口佐栄子)
横山隆一(二上洋一)
山川惣治(竹内オサム)
近藤日出造(呉智英)
長谷川町子(山口佐栄子)
手塚治虫(竹内オサム)
水木しげる(呉智英)
白土三平(徐園)
梶原一騎(瓜生吉則)
石ノ森章太郎(竹内オサム)
赤塚不二夫(吉村和真)
つげ義春(小山昌宏)
さいとう・たかを(西原麻里)
藤子不二雄(斎藤宣彦)
萩尾望都(村上知彦)
大友克洋(村上知彦)
鳥山明(夏目房之介)
岡崎京子(西原麻里)
Ⅲ 研究の領域
歴史研究(宮本大人)
マンガ家・原作者論(小山昌宏)
マンガ表現論(夏目房之介)
マンガの読者(瓜生吉則)
マンガ雑誌研究(秋田孝宏)
マンガ産業論(境真良)
Ⅳ さまざまなアプローチ
キャラクター・ヒーロー(竹内オサム)
編集者の役割(夏目房之介)
マンガとアニメ(細萱敦)
表現規制と事件(斎藤宣彦)
マンガと教育(吉村和真)
戦争とマンガ(呉智英)
マンガとジェンダー(藤本由香里)
マンガと人権(吉村和真)
マンガと児童文学(二上洋一)
マンガの美学(ジャクリーヌ・ベルント)
Ⅴ マンガの諸相
マンガのデータ・書誌(秋田孝宏)
研究誌・情報誌(秋田孝宏)
マンガ論争(小山昌宏)
複刻本、全集、選集(西原麻里)
マンガの事典、年表(秋田孝宏)
パロディ(夏目房之介)
技法書(竹内オサム)
ネットとマンガ(瓜生吉則)
同人誌と即売会(斎藤宣彦)
公共図書館とマンガ(徐園)
海外のマンガ出版(細萱敦)
マンガと著作権(および盗作)(小山昌宏)
メディアミックス(境真良)
海外でのマンガ研究(ジャクリーヌ・ベルント)
Ⅵ マンガの評論研究史(竹内オサム)
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