今期最後の講義
最後の直線で息切れしつつ何とかゴール。
まず、かなり詳細なレジュメを図版付きで60部作り、アンケートとともに配布。
冒頭、『ハチクロ』の「夏目の目」拡大版をそれでも大急ぎで20分でやり、そいういうマンガ理解、表現論的な見方がいかに成立したかの略史をレジュメに沿って紹介。学生諸君は現物を知らないだろう「ガロ」「COM」「ヤングコミック」をOHCで見せつつ、何とか70年代あたりまでやって時間切れ。残り20分でアンケートを書いてもらって、前期講義終了しました。
アンケートは回答53人(履修者の約半数+もぐり)で、うち何と36名が女性。全13回のうち10回以上出席の人は44人で、これで大体いつも出てくれる人の人数がつかめました。
「記憶に残る講義」を聞いた質問では、ほぼ予想通りの結果(複数回答)。
夜話関連 24
ドラえもんとリテラシー 17
海外紹介・比較 10
出版流通問題 5
意外と海外マンガの紹介や比較の反応がよかったので、少し嬉しい。
基本的に具体的なマンガの解析がやはり面白いようで、『ドラえもん』とリテラシーの回あたりから急速に聴衆の集中力が増した。それは正直予想してはいたんだよね。でも、そこをあえて「マンガの定義」問題から入ったのは、それでも聞いてくれる学生さんを中心に話したかったからなんだよね。やっぱり、そういう相手だとやる気になるわけです、こっちも。その中から何人かでも将来マンガに積極的にかかわる人が出れば嬉しいし、そうでなくてもマンガを楽しんでいけて、そのことを活かしていける人が出れば、それで講義の目的は果たせる。
もちろん、まず興味を引く具体的な作品から入る、というのはいつも講演などでもやっている手で、それを今後試みる可能性もあるけど。
今後の「希望」項では「最近のマンガをやってほしい」「少女マンガをやってほしい」というのが多かったな。でも、これにはあまりこだわるつもりはない。まず、そういう反応が多いだろうというのはわかっていて、じっさい『NARUTO』をやろうかと思っていたのだけど、今の大学生は「これなら誰でも読んでいる」なんて共通項はないので、どのみち「自分のよく知っているマンガをやってほしい」という不満とか希望になるのは、同じだろうと思う。『ドラえもん』のように、ホントに誰でもそれなりに知っているマンガって、じつは「今のマンガ」じゃないんだよね。
あと、最後の回だけ来た学生がけっこういて、僕の横を「これってマンガの授業だよねー。ひっさしぶりー。三回目かもぉ~(はぁと)」とかいって教室に入ってくコもいた(笑)。レジュメはけっこういいおみやげだったはずだけど、こういうコにはあまり意味ないかな。
でも、毎回レジュメほしいって声は多くて、それはできればそうしたいのだけど、何しろ人数が多いので、大変なのよ。準備はできても、それをレジュメ用に起こし直して60部とかコピーして、枚数多ければ順に揃えて、配る・・・・って、かなり手間なんだよねー。ま、努力しますが。