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夏目房之介の「で?」

のだめコンサート

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東京フォーラムで『のだめ』オーケストラの演奏会っつのがありまして、藤本由香里さんからお誘いをいただき、いってまいりました。
よかったですね。楽しい演奏会でした。考えてみたらここ数年クラシックの演奏会なんて、姪の大学オケしか聞きにいってないので、ものすごぉく久しぶりにプロのを聞いたわけで、うまい!(当たり前)
フジテレビの企画で、あいだに出演者(玉木、上野)のトークとか、ナオタだっけ? ロックでバイオリンやってる人(峰のモデルみたいな人で、今回ののだめオケの人選だとか、峰へのレクチャーをしたらしい)とかが出てきて、色々裏話もしてくれたんで、それも面白かった。
収穫はいくつかありますが、

何より驚いたのが上野樹里は天然で、演技じゃなくて素のままだったってことでした。いやぁ、喋り方もボケも、言葉のわけわからなさも、動作さえ、あのままなんでした(笑)。
それと、専門的なことはわからんが「のだめだったら、この曲はこうするはず」とか、けっこうそれぞれにテンポ、音の出し方、アドリブなど、キャラクターにあわせて、プロが指導して演奏を演出してるんですね。これは手間かかってると思ったな。玉木は、ブラームスの曲を指揮するのに「パソコンだけで千回聞きました」っていってて、相当特訓したみたいです。指揮って大変だからねー。
演奏もなかなかよくて『のだめ』の関連場面をスクリーンに流し、それから演奏を始めるスタイルで、ヘタ打つと最低な構成だったけど『のだめ』観てる人には面白かったんじゃないかな。クラシックが好きだと邪魔だろうけどね。
ロックと「ラプソデイ・イン・ブルー」はさほどでなかったが、全般に非常に楽しめました。とくに最後のほうにやったブラームスは感動してしまいました。むちゃくちゃ難しい曲で、凄い音の構成でしたねー。いや、何となく聞いたことはあるけど、ああしてナマのオケで聞くと凄いわ。
何よりも収穫だと思ったのは、クラシックというジャンルと、マンガというジャンルを、両方愛し、理解できる人々が番組を作り、出演し、これだけのコンサートまでやってしまう時代になったんだなー、という印象ですね。クラシックとマンガに優劣つけずに楽しめる人がそんなにいて、協力して番組を作るなんて、昔だったら絶対ありえないよね。京都の講義でも、このへんの印象とか、エピソードとか、使えると思います。

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