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夏目房之介の「で?」

馬貴派八卦掌報告31 スジができてきた

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 昨日の品川教室は練習を30分早く切り上げて忘年会。
 居酒屋で遠藤老師のとなりに座ったんだけど、話は老師が実感している「スジの力」のことになり「たとえば・・・・」というので、僕の腕をとり、筋肉で掴むのと、スジの力で掴むときの違いを実演してみせた。筋肉を使うときは腕全体が収縮するが、スジを使うときは腕全体を伸ばし指の先まで「通す」感じ。筋肉で引き寄せて掴む力は掌前面によって腕の表面に圧がかかるけど、スジを使い指の先でくいこんでくる力はこちらの腕の奥に入ってくるような感じで、たしかに違うのだった。しかも、怖い。
 で、

掴まれていた僕は、半分無意識にスジを使ったらしい。怖いもんだから、自分なりに「通す」感じにしたんだと思う。すると遠藤老師が「あ、夏目さんはもうスジを使ってますね!」といわれた。それで「通す」感じで腕を伸ばしてみると「そう、それがスジを使ってる状態です」といわれ、はじめて何となく「スジによって力を通す感覚」というのが、こういう感じかな、という実感になったのだった。う、うれしいぞ!(いや、もちろんひどくか細いもんですよ、まだ! 見せろとかいっても、見せられないからね。遠藤さんだから見えるんだからね)
 じつは、日常観葉植物の鉢なんかを持ち上げたり、引越しで重いダンボールを持ち運んだりしているとき、多分コレがそうなんだろうなとかは思っていたけど、まだ非常に弱いので、確信はなかったのだ。床のダンボールを持ち上げるとき、どちらかというと腰がS字に曲がる状態で力が入るので、腰に負担が大きくかかる。でも、こないだは逆に腰を外に張り出し、端腰・提肛状態で持ち上げることができて、負担がないし不安もなかったのだ。
 自分ではまだ実感してないけど、老師によると背中や肩にも、それなりにスジがデキて張っているらしい。たしかに肩は、何の運動もしてないはずなのに、盛り上がってきて、鎖骨が埋没してきている。変化は確実にしているんだね。早く写真撮らなきゃ。
 あと、誰かとリハビリとか老人の歩行訓練に走圏を応用したら絶対いいよねって話もした気がする。我々のような練習ではなく、もう少し簡略化したものでも、多分かなりの効果があると思う。「歩く」っていうことについて、まったく別の角度から理解して、組みなおすことができるんじゃないかな。転ばなくなると思うぞ。
 とはいえ、ここんとこ忙しかったし、休みの日には引越し関係の整理とかやってて、何となく「あれ? これ、風邪の感じ? いや胃腸が弱ってるかな?」という感じを持ってる。久しくないことなので、今いち、どう判定していいのか微妙なんだけど、多分風邪の菌は入ってると思う。無理しないで追い出したいところだ。無事に年を越したいしね。

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