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夏目房之介の「で?」

宮本君から・・・・

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 マンガ研究の明日を占う要チェック人物第一位、宮本大人氏が9月2日(土)に新宿・朝日カルチャーセンターで公開講座をやります。

http://www.acc-web.co.jp/sinjyuku/0607koza/A0102.html# 

 これは非常に興味深いテーマで、僕は前から知り合いだし、彼の講義などもけっこう聴いてるので、大体の予測はつきますが(内容紹介は下に)、何しろそのつど新たな発見や見解、ヒントがあり、しかも「そこまでせんでもええっちゅーに!」と思うほど、レアな資料満載だったりします。何か、

参加人数が少ないみたいなので、急遽ここでお知らせします。僕も多分いけると思うんですが。

 以下、宮本君のメーリングリストへの投稿から引用します。

 〈ちょっとお高いですが、見られる図版のレア度など考えますと、興味のある方には損のない内容になるかと思います。
なお、今回、学生さんについては1000円で受講していただけることになっています。
 下記のページから「アスパラクラブ」に登録していただきますと(入会金・年会費等は不要です)、一般の方は3250円のところ、学生さんは1000円で受講していただけます。これはお得です。映画見に行くより安いです。

http://aspara.asahi.com/asahi-culture/login/tezukaosamu.html

 上のページのリンク先ではごく簡単な内容紹介しかないのですが、僕が自分で書いたものを使って、担当のYさんが作ってくださったリーフレットの内容を、以下に貼っておきます。

  ■公開講座

  手塚治虫とそれ以前―〈子供マンガ〉から〈少年マンガ〉へ―

   講師  北九州市立大学助教授  宮本 大人

   手塚治虫の特徴の一つとして、よく指摘されるのが、キャラクターの「成長」を主題化したことである。「子供」と「大人」の間、思春期、青年前期の「少年」の「成長」をマンガで、リアルに描こうとしたというのである。しかし、キャラクターの「成長」がマンガの主題になったのは、手塚の登場以前、戦時下の出来事であり、そこには、子供マンガに対する「教育的」な視線と「戦時下」という状況とが密接に関連している。

   本講座では戦時期の子供向け物語マンガにおける「成長」の描かれ方を紹介・検討しつつ、手塚の位置づけを再検討しようとするものである。 (講師・記)

  <講師紹介>宮本 大人(みやもと・ひろひと)

  1970年和歌山県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位修得退学。日本学術振興会特別研究員。明治学院大学・白百合女子大学・東京工芸大学・文教大学・帝京平成大学非常勤講師を経て現職。マンガ史研究。「ユリイカ」「ダヴィンチ」などに寄稿。共著に『マンガの居場所』(NTT出版)。論文に「ある犬の半生―『のらくろ』と〈戦争〉―」(『マンガ研究』2号)など。

  日    程  2006年9月2日

  土曜日 15:30~17:30   

  受講料(税込み)  会員 2,730円  一般 3,250円(入会不要)

  場    所  新宿住友ビル7階 朝日カルチャーセンター(申し込みは4階受付)

[略]

  朝日新聞の文化活動 朝日カルチャーセンター

  〒163-0204 新宿住友ビル内 私書箱22号

  新宿区西新宿2-6-1 ℡ 03-3344-1998 (教養二科直通)

  インターネット情報接続先 http://www.acc-web.co.jp

 〈子供マンガ〉と〈少年マンガ〉という対比は、実は今回この講座をやるに当たって、タイトルを考えているときに思いついたもので、あんまり練り込んだ概念にはなっていません。内容的にはすでに博士論文の一部として、執筆済み(未発表、去年の東大の集中講義では話しました)のものを使いますが、要するに、そこに出てくるある年齢の登場人物を、ただ〈子供〉として描くか、成長してゆきつつある、つまり刻々と〈子供〉でなくなりつつある、あるいはそのような可能性をはらんだ、存在として描くか、という対比を、〈子供マンガ〉と〈少年マンガ〉という言い方で表現できるかな、ということです。〉

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