中国の閲覧規制ソフト(閲覧フィルターソフト)のPC搭載義務付けの影響
既に各種メディアやブログで取り上げられている中国の閲覧規制ソフトの新規PCへの搭載義務付けについて、現地の状況をヒアリングしてみた。
ソフト名は、『グリーン ダム』(Green Dam-Youth Escort、緑壩・花季護航)
政府からの委託で開発したのは Jinhui Computer System Engineering社。開発費は6億円と言われている。
中国政府は、7月以降に店頭に並ぶPC全てについて、このグリーン・ダムを導入するか、またはCDを同梱するように、PCベンダーに指示しているとのことだ。
政府が指定した『有害サイト』を閲覧できないように遮断するだけでなく、閲覧しようとしたことを自動的に記録されるという情報もある。 『有害サイト』のリストは、ウィルス対策ソフトと同様に集中管理され、適宜アップデートされるようだ。
中国政府によれば、この閲覧規制ソフトの搭載義務化は、未成年者をアダルトサイトから守るためということのようだ。
7月から8月末まで中国の学校は夏休みとなり、子供たちはパソコンで遊ぶ時間が増える。親たちは仕事を持っているケースが多く、昼間、両親が不在の間に子供たちがインターネットで有害なサイトを見ないようにということのようだ。
ほぼ同時期に報道されているGoogleの中国での業務停止についても同様の理由であり、この発端は、一般人へのアンケートでGoogleで検索できる有害サイトが多すぎる、との声が多かったということのようだ。
また、そのほかの事情として、今年10月1日は中国建国60周年の国慶節であり、政治関連の内容のフィルタリングを『グレートファイヤーウォール』(中国国内と海外との間にあるインターネット上の世界最大規模のファイヤーウォール)とともに徹底したいということもありあそうだ。
このグリーンダムについて、品質が悪い、不安定だとか、PCのリソースを必要以上に消費したり、使い勝手が悪いなどという話題が飛び交っているが、他のPCソフトウェアと同様に、出たばかりのソフトはバグが多い、ということだろう。
そのほかには、今年の10月1日は中国建国60周年の国慶節で、
政治関連の内容のフィルターリングを徹底する目的でもあるといわれています。
ユーザーとしては、この閲覧規制ソフトの利用を強制されてなく、また既に所有しているPCへの搭載も求められていないため、いまのところ影響はほとんど無い模様だ。
また、米ソリッドオーク社は、このグリーンダムが同社のソースコードを流用しているとして、「純然たる著作権侵害だ」と主張しており、今後の動向が注目される。