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地域分散型「霞が関クラウド・データセンター」構想

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前に提言した、ICT鳩山プランに基づく、全国に分散した地域分散型「霞が関クラウド・データセンター」について、もう少し具体的なアイディア出しした叩き台を書いてみました。

地域分散型 霞が関クラウド・データセンター構想

狙い:

クラウド等の先端情報通信技術(ICT)を活用し、地域分散型の日本縦断ICTインフラを構築する。これによって、地域間デジタルディバイドを解消し、全国レベルでの新しい産業創出を図ると共に、直接・間接の雇用創出を目指す。また、この構築を通じて、日本が持つ最先端技術の実用化を図るとともに、世界に先駆けた大規模実装プロジェクトとし、ノウハウの蓄積とスケールメリットによって技術的および商業的な優位性を確保する。

次世代クラウドネットワーク・バックボーン:

鉄道線路、高速自動車道の側溝および高圧送電線網等を利用し、新たに最先端の光ファイバーケーブルを敷設、日本が持つ最先端の光中継器技術を活用し、オール光の全国規模の"全国公共オール光ファイバー網"を構築する。

ファイバー網の物理経路はループ構成や異なるルートによる多重経路とし、地震等に対して万全の災害対策を施す。

仮に全ての鉄道網(約3万km)、自動車専用道(約1万km)に光ファイバを敷設した場合の総延長は4万kmとなり、世界でも最大規模の光ファイバー・バックボーンとなる。

地域クラウド・データセンター群:

全国46都道府県および政令指定都市など主要都市の合計約100箇所に最先端技術を取り込んだ新設計データセンターを建設する。各データセンターは全国公共光オール光ファイバー網に接続し、全てのデータセンターが有機的に結合したクラウド・データセンター群を構成する。

各データセンターの規模は、1000ラックから3000ラック程度(3300㎡から1万㎡)とし、合計20万ラック(70万㎡)規模となる。

データセンターは、鉄道、自動車専用道または高圧送電線に隣接した立地とし、光ファイバーの引き込みを容易にするとともに、各地域のネットワークのハブとする。

環境にやさしいグリーンICTデータセンターとして、自然エネルギー(太陽光、風力発電等)の活用や外気による情報通信機器冷却だけでなく、大量に排出されるデータセンターの廃熱による温水を利用した促成栽培農業プラントや保養施設等によって、エネルギーの全体最適活用システムを志向する。
また、収容するコンピュータ機器および通信機器の動作許容温度を外気温プラス10度程度とする様に国内各メーカーに要請し、データセンター内室温は30度程度とし冷房エネルギー消費を低減させる。

雇用創出効果:

ICT産業に関連する企業、技術者だけでなく、従来ICTとは疎遠であった人材をデータセンターまたは周辺施設、関連施設で活用することで、地域密着の雇用創出を期待できる。 例えば以下のようなものが考えられる。

  • データセンターのビル施設管理、エネルギー関連施設管理等
  • データセンターへの入退館管理、作業立会いや周辺警備等の物理セキュリティ管理等
  • システムおよびネットワークの運転、監視、維持保守業務等
  • 非デジタル情報(文書、図書など)のデジタル化業務等(スキャン作業、校正等)
  • 食住、物流、交通などのその他派生する業務

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