【ソーシャルゲーム】GREE Platform デベロッパー向けセミナー議事録(特徴や成功要因分析など)
Tweet |
|
2010年12月6日13:10追記
- GREEの方よりセミナー限定の情報が公開されていると連絡があったため該当部分を削除。
※ブログの執筆に当たっては、受付で事前に内容の公開可否を確認しております。無断で引用したものではありませんが、口頭で補足された内容にオフレコの情報が含まれていたようでしたので、修正いたしました。
お世話になっております。
ループス岡村直人です。
12月3日(金)に開催されたGREE Platformに関するセミナーに参加しました。デベロッパー向けの内容だったのですが、プラットフォームの特徴やアプリ開発時の考慮点などが1時間という短い時間でコンパクトに説明されており、なかなか面白かったです。
主に前半部分をまとめましたので、興味のある方はご覧いただければと思います。
■オープン化の背景
- mixi、モバゲーを抜き、会員数で国内No1のプラットフォームに。
TVCMの効果が大きかった。- 2010年6月から10月までにコイン消費は16倍になった。
- 当面は会員数3000万人を目指す。
(参考:国内のニンテンドーDS出荷台数が約3000万台 wikipediaより) - 長期的には国内外合わせて1億人が目標。
サードパーティと力を合わせてやっていきたい。
■GREEのプラットフォームの特徴
- オープン
信頼される、オープンなプラットフォームを志向する。
パートナーを苦しめるような過度な囲い込みを行わない。 - アプリのタイトル数が少ない
アプリのタイトルはmixiが1000、モバゲー500〜600(推定)程度。
GREEはまだ100くらい。
他プラットフォームに比べて競合が少ない状態。 - 継続的なサービスの改善
サイトの仕様改善を繰り返していく。 - プラットフォーム提供者によるコンサルティング
アプリの改善に繋がるデータ提供を強化していく予定。ベストプラクティスをタイムリーに共有してく。 - プロモーション
マーケティングのサポートを手厚くしていく。
■2010年の主な取り組み
2010年3月オープン化を発表。
2010年8月にサイト仕様を大幅に変更
2010年9月パートナー向けコンサルティング部門立ち上げ
2010年10月月額課金性「アプリコース」スタート
■人気ゲーム紹介
◯ランキング(2010年11月時点)
- ドラゴンコレクション
- ダーリンは芸能人 for GREE
- 100万人の三國志
- 執事たちの恋愛事業 for GREE
- プリティ☆マイガール
◯ドラゴンコレクション(KONAMI)
公式サイト:http://www.konami.jp/products/sns_gre_dragoncollection/
- カードバトル。カードを集めるのが楽しい。
- テンポがよい。
- 「ガチャ」という仕組みがうまい。
◯幕末志士の恋愛事情 for GREE(Style Walker)
Style Walker社プレスリリース:http://www.style-walker.com/sw_resource/press/20100810.html
- 幕末志士と恋愛をするゲーム。
- 恋愛ゲームの中では比較的売上が高い。
◯おみせやさん(芸者東京エンターテイメント)
- アイテムを作って売るゲーム。2ヶ月弱で会員数100万人突破。
- 公開後半年たった今でも毎月売上を伸ばしている。
■人気のゲームジャンルと傾向
複数アプリをリリースしている会社の方がアプリ単体売上も高くなる傾向にある。
ノウハウが蓄積されるため2つ目以降徐々にアプリがレベルアップする。GREEとしてもしっかりサポートしていく。
- シミュレーション32%
- RPG20%
- 育成19%
- 最近はパチンコ、パチスロが増えてきた。
- スポーツ、テーブルゲームなど新しいジャンルのゲームをもっと出して欲しい。
- 同じようなゲームでもモチーフ(テーマ)が変わると売上が全然違う。
モチーフを変えて出すのもオススメ(お店屋さん系でラーメン屋さんやうどん屋さんなど)。
■GREEのデベロッパー支援
◯サイト導線の大幅リニューアル(2010年8月)
- トップ
- ログイン後トップにゲーム導線を6枠設定。広告枠1枠。
- 登録済みゲームへのショートカット(マイアプリ)を5枠設定。
- マイページ「ひとこと」欄にゲーム更新情報が表示される。
- APIを使った「アプリからのお知らせ」欄。
- 「アプリへの招待」を見易い場所に。
- ゲームトップ
- 「特集」コーナーを新設、ジャンルやイベント等様々な切り口でゲームを紹介。
- オススメゲーム枠に高パフォーマンスのオススメゲームを4件表示。
- 「新着ゲーム」枠、「ランキング」枠、「カテゴリ」枠
◯プロモーション支援
- 年末までに30タイトルのテレビCMを放送予定。
- 「しろつく」、「ヒメこい」、「人生ゲーム for GREE」
- パフォーマンスの高いゲームはどんどん紹介していく。
- パートナー向け広告商品
代理店挟まない直販体制。CPA50円切るケースも。
◯インフラ支援
- 静止画像のキャッシング(無料、申し込み不要)。
- GREEと同一IDCでホスティング。RTT短い。
スペックの割には安いと思う(24GBメモリのDBサーバ6万円弱など)。 - 他事業者との提携プランも用意。
◯マネタイズ支援
- 月額課金制アプリコース提供開始
- 国内ソーシャルプラットフォームで初。
- 毎月一定額のコインが付与される。
-
第一弾として芸者東京「アプリコース」が対応。
300円、500円、1000円、2000円のコースを用意。
■各種データ提供の充実
- パフォーマンスを月次レポートで提供
- デベロッパーサイト上で分析に必要な数値を提供。
- 今後登録N日護継続率などの情報を提供予定。
■コンサルティング
◯フレームワークの観点
基本モデルが確立しており、集客→利用促進→収益化に分解して分析、それぞれに対して継続的な改善ができているアプリが伸びている
- 集客
- 新規登録(通常導線、招待、更新フィード)
- 退会率
- 活性化
- 利用率(登録後経過日数別継続率)
- 収益化
- 課金率、課金ARPU
◯成功事例分析
- 基本ゲームモデル
- シンプルさに徹底的にこだわる。ゲームを一言で説明できること。
- ゲームシステムは相当単純ではないといけない。
「パチンコなんて(ハンドルを)回すだけ。テレビもボタンを押すだけで面白い。(ソーシャルゲームも)ああいうものでなければ。(GREE田中代表)」
- 集客
- バナーを定期的に変更してCTR、CVRの低下を避ける。
- 「友達を招待しよう」というリンクをあらゆるページに設置。
- 友達を招待するメリットを明確化する。
(能力UP、ゲーム進行スピードUP) - 更新フィードを必ず使う。わかりやすく、クリックしやすく。
リリース時に後回しにされがち。効果的なので忘れずに。
◯利用促進
- イベントを定期的に開催してユーザーを飽きさせない(マンネリ厳禁)
GREEのゲームは月4回〜5回くらいやっている。 - ユーザーが利用を諦めない、わかりやすいゲームデザイン。
- 目標を明確にし、「頑張ればクリアできる」と思ってもらうため、ゲーム開始から定着までは敷居(クリア、レベルアップ)を下げる。
- どれだけ「喜び」を感じてもらえるか。「明日もプレイしよう!」と思ってもらえるか。「小さなゴールを何回もクリア」させる。
◯収益化
- 効果的なタイミングで課金アイテムを訴求する。
- 「タイミング」と「表示の仕方」を工夫すると全然変わってくる。
- 「面倒だなー」と思うタイミングで時間短縮アイテムを出す、など。
- 「値上げ」はユーザーの反発を招く。最初は強気の価格設定で。
◯その他
適宜改善していくことが重要。最初はβ版としてリリースすると利用者の反感を抑えられる。
■今後の話
- iPhone12月上旬、Android2月など、他プラットフォームへも順次展開。
- デコメ、占い、エンタメ、ライフスタイル、コマースなどゲーム以外のあらゆる分野に展開予定。
- アジア及び北米へのグローバルな展開を計画中
- 海外拠点設置予定
- 外国籍社員採用積極化
- ローカルプレーヤーとの業務・資本提携を検討中
■関連情報
◯mixi、GREE、芸者東京が考えるソーシャルアプリのポイント
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20100919_395245.html
◯GREE Developer Center
http://developer.gree.co.jp/platform
■ループス・コミュニケーションズのファンページ
2010年12月3日22:14追記
- モバゲータウンのゲーム数修正
- 表現や誤字等の微修正