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「使いやすく」「ハマる」技術とは! それは・・・

続:任天堂・ゲームの神様と呼ばれた横井軍平氏「枯れたゲームの水平思考」

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前回「任天堂、横井軍平氏の哲学「枯れた技術の水平思考」を考える。eラーニングや福祉分野等々にも考え方の応用ができる!やはり任天堂とApple社は考え方が近い。の続きを書いていこうと思う。

世に数々のヒット商品を送り込んだ横井氏は任天堂を退職され、1996年に株式会社コトを立ち上げた。
そして1997年に交通事故に巻き込まれて亡くなることになるが、その1997年に今後やりたいことについて話されている。
その内容は、「枯れたゲームの水平思考」である。
これは、ゲームの楽しさを、医療とか実用品とかの世界に結びつけたらどうなるかということを考えてみたいとのこと。

そう、ゲームの楽しさである「説明書無しで遊べる画面設計や操作性」「熱中する」を他分野に応用しようと考えたのであろう。
これもアイディア勝負である。

どう表現すれば説明書無しで操作できるか、以下ゲームとそれ以外の一例を。
・操作前の簡単なデモ画面
(ドンキーコングでは、コングがピーチ姫をさらって登っていく。スーパーマリオブラザーズではステージ1-1はゲームするにあたり基本的な操作が詰まっていて、その先に進んで行くためのチュートリアルにもなっている。)
・画面上で何をすればよいか見てわかる表現
(例えば、バケツを持っていれば上から落ちてくるのを拾いたくなる。手前に紙くず、奥側にゴミ箱があれば紙くずを飛ばして捨てたくなる。バットを持っていてボールが飛んで来れば打ちたくなる。英語学習で画面上に単語の側にスピーカーマークのボタンがあれば、ネイティブ音声を聞きたくてボタンを押したくなる。)
・進行してもらうために
(例えば、後ろから火の玉が追っかけてくる。点滅した矢印で操作を誘導する。)
等々
これらは少し触れば分かる直感性を有する。

どんな要素を組み込めば熱中するのか、以下一例を。
・最大は褒めること。
・失敗しても感情的に怒らない。
・作る側からの目標提示。そして操作する人の目標設定。
・操作していて気持ち良い感覚。
等々

横井氏はリハビリにゲーム性を盛り込むことを考えていたようである。
そうすることにより熱中して、「もう辞めなさい。」と言うまでやってしまう。
その熱中することにより、毎日同じことの繰り返しで今までリハビリに取り組まなかった人たちが進んでリハビリに取り組めるようにしていきたかったみたいである。

私が考えるには、他に教育分野や福祉分野での応用が有効であるように感じている。

最後に、「枯れた技術の水平思考」で思い出したことがある。
Google起業時、創設者は自分たちで安い(最先端でない)サーバーを組み立てた。
これは横井氏に近い考えであるように思う。

私が思うにやはり任天堂、Apple、Googleは似てるところがあると考える。

この3社からはいろいろなことが学べる。

◆参考文献&講演
横井軍平ゲーム館 RETURNS ─ゲームボーイを生んだ発想力
・軍平ナイト2010(2010/07/30)

◆関連サイト
・2010/05/13テレビゲーム理論(序論)
・2010/05/26テレビゲーム理論(iPad、そしてニンテンドーDS、制限がある中で・・・)
・2010/06/02任天堂とApple社

・2010/06/11テレビゲーム理論(『安心感』)
・2010/07/05日本人が持っている”もてなし”の文化。ソフトウェア開発に取り入れてますか?
・2010/08/05任天堂、横井軍平氏の哲学「枯れた技術の水平思考」を考える。eラーニングや福祉分野等々にも考え方の応用ができる!やはり任天堂とApple社は考え方が近い。

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