沈黙の時間を増やすと深いプレゼンができる理由
「この人、ここをよくするとグッとプレゼンで聞き手とのコミュニケーションがよくなるのになぁ」と感じる点があります。
これは「間合い」を取ることです。
間合いがとれないとどうなるでしょう。
・一気にまくしたてるように話してしまい、落ち着き無く聞こえ、話しが分かり難い
・「あー」とか「えー」などの余分な言葉を挟んでしまいやすくなり、聞き難く、決断力に欠けて聞こえる
などがあげられます。
不慣れな人ほど緊張などからあせってしまい、矢継ぎ早に言葉を繰り出してしまいますので、間合いがとれないのです。終わってみれば、間合いを意識する余裕などなかったというのが現実だと思います。
だからと言って、ただ単に間合いだけとろうとすると、「間が抜けてしまう」ケースも多く見られます。
「そんなの初心者では難しいよ」と思われるかもしれません。じつは、大抵の皆さんは,間合いを上手にとれるだけの素質をもっています。
カラオケのときを思い出してみてください。
例えば、「与作」。
「トントントン〜 トントントン〜♪ ジャジャン、ジャジャン、ジャジャン、ジャジャン、ジャジャジャジャジャジャジャジャン!」
のところで次の歌詞、
「与作〜 与作〜 もう、日が暮れる〜♪」
を、聴き手と一緒に想像しながら心と体を盛り上げていきますね。
このとき、音楽と関係なく、目線が落ち着きなくキョロキョロしていたり、資料を確認してうつむいている人は誰もいません。大抵は、宙を見据えたり、目を徐々に「カッ!」と見開いたり、聴衆とノリノリでアイコンタクトしながら気持ちを高揚させていますね。
そうです、この感覚です。
物言わぬ聴き手とのコミュニケーションは、間合いをとることによってこそ双方向に深くなるのです。
実は日本人は間合いをとることが上手です。相撲の間合い、歌舞伎の間合い、お能の間合い、俳句の間合いなど、すべて間合いの文化です。動いていないとき、言葉を発していないときに深い意味を込めることができるのです。「阿吽の呼吸」とも言いますね。日本人は、間合いを血の中に持っているとも言えます。
それに、間合いがとれると、間合いから聴衆が内容を租借する時間の余裕ができて、説得力も上がります。
ぜひ間合いをとる時間を増やしてみるように意識してみてくださいね。