玄関を入った瞬間から勝負は始まっている
今、日経新聞「私の履歴書」でニトリの似鳥昭雄社長が連載されています。
今朝の第19回で、生涯の師となる経営コンサルタント、渥美俊一さんのことが書かれていました。
渥美さんに北海道のニトリの店を見てもらうことになったときのこと。
似鳥社長自ら車を運転し、後部座席で常務の方に対応をお願いしていました。
・・・・(以下引用)・・・・
渥美先生は勘違いし、横に座る常務に「君、社長なんだろう。なぜ質問に答えられないんだ」という。そこで運転席から「社長は私です」というと先生は激怒した。「なんで社長が運転しているんだ。移動中からもう問答は始まっているんだ。ふざけた会社だ。俺は帰る」。私はまずいと思いながらもこのまま帰すわけにはいかない。「貴様、止めろ」とドアを開けようとするが、そうさせないように無理やり車を走らせた。
・・・・(以上引用)・・・・
「さあ、これからビジネスの話をしましょう」
そうなる前から勝負は始まっているということです。
私は子どもの頃、レッスンの前に先生のお宅の駅に早く到着し、怖くて、緊張して、なかなか先生の家まで行けずにウロウロしていることがよくありました。
駅に着いた瞬間から身体がレッスンを受ける体勢になっていたということです。
加えて、遅刻は厳禁。
2分でも遅刻すると「バッハが1曲弾ける。やる気がないなら帰っていいわよ。」と言わんばかりの厳しいお叱りをいただきました。
今思えば、どこの世界にも共通する、素晴らしいことを教えていただいていたのです。
今は企業のお仕事をいただき、ご支援させていただくことも増えてまいりましたが、今でも先生の教えを思い返し、会社の玄関をくぐった瞬間から勝負は始まっているのだと思っています。
しかし、ニトリの似鳥社長は、素晴らしい師匠にお会いしていたのですね。
高きを求め、魂より求めれば、導かれるように師は現れるのだと思います