プレゼンの困った質疑応答を助けてくれるマジック・フレーズ 『教えてください』 (プレゼンの心得 その2)
いくらしっかりしたプレゼンを行ったとしても、質疑応答でその人の力量が出てしまうものです。
質疑応答で、プレゼンでは気をつけていた悪い癖がつい出てしまったり、難しい質問をごまかしてしまったりすると、印象がよくありません。
プレゼンテーションは質疑応答においての満足度で全体の評価がグンと上がります。
昨日は、プレゼンの質疑応答を助けてくれる心得と、マジック・フレーズ 『良い質問です』について書きました。
本日は引き続き、「質疑応答の心得その2」として述べてみます。
◆質疑応答の心得 その2 「リスペクト」
質疑応答で特に心がけることは「質問者に対するリスペクト(敬意)」です。
見ていると、難しい質問をされたりすると「ムッ」としたり、表情がこわばる人が多いですし、気持ちはよくわかります。しかし、できるだけ平静を装い、落ち着いて対応しましょう。
無理難題でも、落ち着けば、大抵は何とかなります。
聞く人は、講演者の話しを聞きながら「そういえば、こういうとき、こうだったなあ」とか「あのとき、こうすれば良かったのかな?」とか、自分の経験に立ち返って聞いています。
そのため、質問する場合は、その人の現場での気持ちや、経験則で質問してきているということを前提に考えましょう。
その人の質問してきている状況は、初めて会って、しかも一瞬では、なかなかすべて想像しきれないものです。
「この方はなぜこの質問をしてきたのか?」ということを知ることで、きちんとした答えをすることができます。
こういうときは質問者がなぜこのような質問をするに至ったのか、納得いくまで質問し返すことです。
全体の皆さんのお時間をとってしまう、と焦ることはありません。
皆さんも、そのやり取りに耳をそばだてています。場合によっては本編の講演以上に。
質問は、質問者だけのものではありません。
質疑応答の過程は、会場のみんなも参考になり、勉強になっているのですから良いのです。
さっと答えて自分だけがなんとかのりきろうと思いがちですが、全体が「なるほど、そうだったのか」となるように持って行くのが良い質疑応答です。
だから、一発で答える頭の良い人を演じる必要はありません。
質問し返し、対話が深まるための「マジック・フレーズ」があります。
「もう少し状況を教えてください」
または
「何でお困りですか?」
状況を教えてもらうことで、自分の問題とするのです。
相手がなぜこのような質問をするに至ったのか。
そこに理解がいくことで、より的確な答えをすることができます。
納得いくまで対話を深まらせることができれば、自分も新しいことを知ることができて勉強になります。
また、そうすることで、かえって相手のほうが自分の答えを自分で見つけてくださることもあります。
★★★ 本日のマジック・フレーズ ★★★
「もう少し状況を教えてください」
または
「何でお困りですか?」
覚えておいてお役立てください。