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林總「成果が出ないのは、あなたが昔の『燃費の悪いアメ車』な働き方をしているからだ」:経営を専門家だけに任せる組織は破綻する

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あの「ドラッカーと会計の話をしよう」の著者、林總さんが、ストーリーで優しく会計の話を手ほどきしてくれる本、「成果が出ないのは、あなたが昔の『燃費の悪いアメ車』な働き方をしているからだ」を読了しました。

「ドラッカーと会計の話をしよう」は、経営者であり経営コンサルタントでもある西園寺周作が、イタリアン・レストランのオーナーシェフの抱える問題を鮮やかな手腕で解決する物語。
私の好きなグルメ・ネタ満載で、読むとすぐにお腹がすいてきます。そんな空腹感の中、ドラッカーと会計の話がお腹と頭にスルスルと入ってくるような素敵な本でした。

さあ、西園寺さんは今回はどんな問題を解決してくれるのでしょうか?

この「成果が出ないのは、あなたが昔の『燃費の悪いアメ車』な働き方をしているからだ」では、経営破綻しそうな病院の立て直しにチャレンジする医師の物語です。

「人件費や経費を削れ」と言う理事長側と、「病院は儲け主義ではない、医師の質を落としてはいけない」という医師が対立します。

今は、もし人件費を削ろうと思ったら、コンピューターや機械が人間に代わる作業をしてくれるので、効率化をはかれるようになっています。たとえば電車に乗るときでもPASMOやSuicaで時間も人件費もカットできるようになりました。
しかし、病院は同じようにはいかないのです。
最先端で高額な検査機器を導入すると、それに伴って専門の技師もいる。最高の医療を届けようとすればするほど人件費がかさんでしまうという悪循環に陥ります。

実際、私の身内で医局に勤める者がいるのですが、皆が実家に集まる正月でも仕事が入り、ここ数年一度も会ったことがありません。病院も生き残りに必死なのです。そして、関係者ほど「とにかく人が足りない」と強く信じ込んでいます。

本当にそうなのでしょうか?

この本にある西園寺さんのアドバイスは、すべての病院関係者や、また仕事で悩むビジネスパーソンにも耳を傾けていただきたいと思います。


そんなことを考えていたら、2014年5月22日日本経済新聞にて「病院再編で生き残れ」という記事を読みました。

     ・・・・・(以下引用)・・・・・

総務省の昨年の調査では、公立の897病院のうち、153病院が再編に参画し、212病院が民間譲渡や独法化など経営形態を見直した。しかし、全体の5割弱はいまだ赤字だ。統合などで一時的に採算が改善しても地域の人口減に歯止めがかからなければ再び統廃合が必要になる。これを防ぐためより広域での経営統合を目指す動きも出てきた。中国地方では、岡山県内や近県に医師を供給する岡山大学を核とした統合構想が浮上。岡山大学の森田潔学長は「セーフティーネットとしての地域医療を維持しながら、病院間の役割分担で効率化できる」と話す。こうしたケースでの活用も念頭に置き、政府は「持ち株会社」に似た法人が複数の病院を束ねる新たな制度作りを検討している。

     ・・・・・(以下引用)・・・・・

未だ赤字施設が多く、今後も生き残りをかけた病院再編が続きそうです。
実際の病院経営にも、西園寺さんのような方に登場してもらいたいものですね。

皆一生懸命やっているのです。でも経営を専門家だけがやってしまうと上手くいかないことがあります。
これは、医療関係だけではなく、音楽関係でも似たようなところがあります。
ある音楽大学では、音楽家が経営を行って学校が破綻の危機になったケースを知っています。それも、専門家が一生懸命やっていた結果なのです。

本を読んで、顧客の価値とは?自分の与えられた使命とは?また、専門家の陥りがちな罠とは?など、改めて考えさせられました。

良い本を有り難うございました。

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