人とのご縁は最初の5秒
初めてお会いする方とのご縁は、お会いした瞬間に決まるような気がします。
今までの経験から言うと、名刺を交換する前に、この方とはご縁があるなと感じます。
それは理屈ではなく、直感のようなもので、ほんの5秒くらいの短い時間です。
たまに、ご縁があると感じなかった方でも、後からご縁が巡ってくるときもありますので、自己限定したくはないのですが、ほとんどの場合は最初の瞬間が大切です。
あらかじめ、その方が書いている文章を読んで、素晴らしい方だと期待してお会いすると、実際はあまりピンと来なかったりすることもあります。
反対に、噂でうかがっていた印象が今ひとつだったのに、お会いしてみると、大変良好な関係が築けたりすることもあります。
私が、今まで人生を決めてきたのは、一見自分の意志でもあるような気がしますが、よく考えると、ある大きな流れの中にある人との有り難い人間関係で成り立っています。
人生の岐路に立ったときのことを思い返すと、「あのときあの方が手を差し伸べてくださらなかったら、今の自分はないだろうな」ということがよくあります。
人間関係ということは、自分が相手にどのような印象を与えるかということも大事です。ご縁をいただいた瞬間にどのような心境でいられるか、ということで機の流れは決まると思います。
いくら表面的に技術的に上手くいったと思っても、そのときの心境が良くないと、不思議なことにその後たいてい上手くいきません。
子どもの頃の師匠が「『してやったり』は駄目よ。」とよくおっしゃっていましたが、そういうことだったのか、と今更ながら思えます。
しかし、人間の本来持ってるエゴというものはなかなか消せないものです。
だから私は、人とお会いする直前のせめて3分くらいは、頭を静かにさせるため、一人になって目をつぶるようにしています。
変な考えが浮かんだら、それを一つ一つピンセットでつまみ出すイメージです。
これをするだけで、落ち着きのない私でも、かなり落ち着いて人とお会いできるものです。
何を語るか考えるのではなく、どのような心境でいられるか、をいつも考えています。
これからも、良いご縁と良い成長ができることを祈りながら、人とのご縁を大切にしていきたいと思います。