「本社のコールセンターには電話しないでください」と言う営業に見る本当のブランド価値とは何か
あるレンタル会社の支店から、毎月浄水器の交換とレンタルをしています。
私が使っているタイプは、ビルトイン方式で、シンクの下にある元栓の部分に取り付けるもの。自分では取り付けできないし、万が一水漏れを起こすと大変ですので、会社の方に取り付けてもらっています。
付け替えた浄水器はシンク下部の棚に収まっているため、いつもチェックはしていなかったのですが、たまたま見てみたところ水漏れをおこしていました。シンク下部の床が水で濡れています。
我が家はマンションの一階なので下の階に迷惑はかからないのですが、賃貸ですから床のダメージが心配です。
ここ7年くらいお願いしていたのですが、こんなことは初めてでした。
じつは、数ヶ月前から交換にいらしてくれる方が、支店のリーダー格の女性に代わっていて、うすうす嫌な予感がしていました。
以前いらしていた方が、よほどだったのでしょう、この女性に対するグチをおっしゃってやめていたのです。そして以前、味がイマイチだったので自分で水質検査をしたら、取り付け操作ミスで浄水されていないことが分かったことがあったのでいつもなんとなく不安でいたこと。そして、いつも交換後、床に水が飛び散っていて、拭いて帰らない方だったからです。
「濡れていますので拭いてくださいますか」とお願いしても良かったのですが、このくらいのことは自分でサッと拭けば解決できる問題ですから、黙っていました。
やはり水漏れは困りますので、本社のコールセンターにフリーダイヤルをしたら、いつもの女性が10分後にかけつけてくださいました。
「度重なる失礼ですみません」とおっしゃり、取り付けしなおしをしている最中に、悲鳴があがりました。
コックをしめない状態で蛇口を開けてしまったので、元栓のところから噴水のように水が勢いよく噴出し、もっとひどい状態に。バスタオルや雑巾をありったけ出してなんとか食い止めました。
水漏れはおさまったのですが、帰り際、ご自分の名刺を差し出し、「これから何かありましたら本社のコールセンターではなく、ここに直接お電話くださいね~」とおっしゃり、言われたこの瞬間、水漏れしたことより何より、一番モヤモヤしてしまいました。
なぜ本社にコールセンターを持っているか、理由があるのだと思います。
ここはフランチャイズ制をとっている名前を言えば誰でも知っているかなり大きな会社です。ブランドを守るために必要なことではないでしょうか。
会社が大きくなるのは良いことなのですが、支店ごとにサービスのレベルにムラができてしまうのは、せっかくもともとの商品は良いのですし、もったいないことです。
自分自身もお客さんに対する仕事をしていて、今までたくさんのお客さんに育てていただいたと思っています。今の自分があるのはお客さんのおかげなのです。
だから、水漏れとか水質とか、できるだけ必要最低限のどうしても困ったとき以外は、自分で出来ることは自分でして、大目にみてあげようと思っています。
今は亡き創業者は、立派な方で志を持って始められたと思います。しかし、今回のようなことが何度も続くと、会社が大きくなることの良い面と難しい面というのを見る思いがしました。
立派な商品だけではなく、立派な志を引き継ぐことこそが本当のブランドなのだと、改めて感じています。