「なるほどプロはこうしていたのか!」 まったくボイトレをしていないのにその場で本格的な横隔膜ビブラートをかける方法
横隔膜が使えるようになると、どんな方でも大抵は声が良くなります。
まったくボイストレーニングをしていない方の場合でも、人工的に横隔膜を使えるようにしてあげると、その場でプロボーカリストのような声が出ることもあります。
様々なところでボイストレーニング研修やレッスンをしてきて感じたことですが、素晴らしい声帯をお持ちで、才能のある方はたくさんおられます。ただ、横隔膜が使えていないことで、能力が目覚めないで終わっているだけなのです。研修なので言い出せないのですが「本格的にやってみたらいかがでしょうか?」と、何度言葉が出かかったことでしょう。
ある研修では、ボイストレーニングをやったこともない方なのに、この方法をとると、プロ並みに声が出て、周囲の人たちから「おお~」と声が上がることもありました。
こういうときほど「やっぱり声は横隔膜だ」と強く感じることはありません。
私が行う人工的に横隔膜を目覚めさせるためにビブラートをかける方法は大変簡単です。
どなたでも出来ますから、信頼している人に助けてもらってやってみるとよいかもしれません。
1、壁を背中にして立つ
2、息をすって「はあ~~」と発声。「ほお~~」でも。
3、誰か別の方に肋骨下のお腹を両手のグーでグイグイとおしてもらう。
誰かに助けてもらう必要がありますが、たったこれだけです。
押し方には少しコツがあります。
膝をついて目の高さが肋骨下くらいの高さにくるような姿勢をとると押しやすいです。また、押すときあまり強すぎると相手が苦しいので加減するように。(肋骨を押さないでくださいね)
お腹の張りに対して、無理なく押してあげてください。あと、声を出している方の声を「良く聞いて」、綺麗なビブラートになるような速度と力のさじ加減で押してあげてください。
声を出す方も、息の流れが悪いと失敗します。息をすって、たくさん空気を流してあげてください。「は~~」と気持ちよく声を出すつもりで。力むと喉に力がはいったりして、声が悪くなりますのでリラックスするように。
これをするとほとんどの方が良いビブラートをかけられます。「なるほど、プロってこうやって声をだしていたわけね~」と分かります。
横隔膜をつかってビブラートをかけると、ノドさえ力んでいなければ、本当に凄い声が出るのをたくさん見てきました。
飲み込みの早い人は、きっかけをつかんで、その場ですぐに自力でかける方もいます。
また、いったんビブラートをかけられると、スイッチを押すように横隔膜が使えるようになりますので、普段の発声も格段に良くなっていきます。
一般的には、「ビブラートは発声の基礎ができてから」と言われる場合もあると思いますが、私の場合は逆で、初期のうちからビブラートをかけていました。そうしているうちに、横隔膜も鍛えられるからです。
最初のうちはぎごちなくても、かけていないと横隔膜も鍛えられませんし、いつまでたっても出来るようになりません。初心者でもどんどんビブラートをかけてよいと思います。
そのために、人に押してもらってもいいので、良いビブラートの感覚をつかんでください。ビブラートが出来るようになるには、まず「出来るきっかけ」をつかむことが大事です。あとはボイストレーニングで横隔膜を鍛えていけば、自力でかけられるようになるということです。
ビブラートは最強の「横隔膜マッスルトレーニング」 。私は、良い発声と同時に、横隔膜を鍛えるという意味でもビブラートの練習をおすすめしています。
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