コンプレックスだった低い声が強みになる 時代は低い声を求めている
最近、「低い声を出したいけれどもコツはあるのか?」「低い声を出すためのトレーニングを教えて欲しい」と、チラホラ聞かれるようになってきました。
これも、私がしつこく「ビジネスで道を切り拓くためには低い声が必要」と言い続けているせいか、「永井にきいてみよう」、と思ってくださっているのではないでしょうか。有り難いことです。
私が提案しているのは、ただの低い声ではありません。
低くて、説得力と信頼感がある。そしてビジネスの現場において交渉力があがる。そういう声です。
しかし、周囲はまだまだ高くてハイテンションの声にあふれている。そして、本来持っている地声より、頑張って高い声を出している人が大勢いる中、低い声をトレーニングすることは、より有利に自分の思いを伝えやすくなります。
素晴らしいスピーチをなさると思う人の顔を思い浮かべると、政治家でも経営者でも、俳優でも低い声の方がほとんどを占めています。
「この人良い声だな」「こういうスピーチやプレゼンができたらいいな」と思ったとしても、「自分とは関係ない」と、多くの人がまだまだ気がついていない。
低くてよい声は誰もが出せる声なのに、そして、良い声の人は声をトレーニングしてその声を出しているのに、殆どの人がそれを知らないのです。
そして今、単に勢いがあった時代と違い、時代が成熟してきました。世界は低い声を求め始めています。
今、欧州で大ヒットしている歌姫が来日します。
彼女の名前は、イマニーさん。
イマニーさんは、元モデルだった細身の身体のイメージとは裏腹に、信じられないような低い声をなさっています。
日本経済新聞2013年7月4日夕刊にてイマニーさんの記事が掲載されていました。
記事によると、イマニーさんは意外なことに
「低い声がコンプレックスになっていた」と人生を振り返ります。
しかし、モデルとして成功しながらも、どうしても歌いたいという思いが強く、ボイストレーニングのレッスンを始めるのです。
コンプレックスだった声により磨きをかけて、認められるようになっていきます。
「他人とは違っていること、コンプレックスになっていることが、強みになることもある。私の歌を聞いて、それを感じてもらえたら幸いです」
と言うイマニーさんですが、その歌声を聴けば、トレーニングをしていることは良く分かります。
エッジから歌い始め聴き手の心を揺さぶり、繊細なビブラートで心を溶かす。ただ低い声ではなく、説得力と深みのある声になっています。
それでは、本日はイマニーさんの歌を聞いてみてください。→リンク
心が落ち着き癒されるのを感じられると思います。低い声は人の心を開かせるのです。
私自身、本来はパワーのない高い声です。それをなんとかトレーニングでしっかり出せるようになってきました。特に、プレゼンテーションや講演、レッスンでは低い声を主に使います。高い声で話していたときとは、反応がまったく違ってくるのが手に取るようにわかります。
以前は一生懸命内容を考えて話していても伝わらなかったものが、伝わるようになる。その世界を、より多くの皆さんにも体験していただきたいと思っています。