無口なのにも理由がある
カゼが長引いたりして、あまり外に出ないでいると、筋力が弱って足がふらついたりすることがありますね。
声にもそういうことがあります。
ピアノという楽器は練習時間がかかるので、本番が近いときは家にこもりっきりということも以前はありました。
そうすると、ほとんど人としゃべらずに過ごすので、だんだんと話すのが億劫になってしまい、無口になってしまいます。
以前は、ただ単に気持ち的な問題だと思っていました。
これは、声楽を始めて分かったことだったのですが、発声も運動なんですね。
あまりにも極端に声を出していないと出にくくなります。
特に、高い声は本当にすぐに出なくなりますね。
高い声を出すときは、声帯をひっぱる筋肉が必要です。
ギターで高い音を出すときに、弦の張力を強めるのと同じ原理です。
引っ張る筋肉はすぐに弱くなってしまうのですね。
また、声を出すには呼吸も必要です。
ずっと座っているような作業が続くと、呼吸がいつも胸式呼吸になってしまい、息が減ってしまい、声が出にくくなる原因ともなります。
声が出ないと会話も少なくなり、さらに人と話さなくなるので、コミュニケーションが取りにくくなります。
本当は、しゃべれば明るい人なのに、残念なことに周囲から「暗い人」と思われてしまうのはこのせいです。
研修で、何もしゃべらないので困っているというプログラマーの方がいらしたのですが、トレーニングを行い、一度話せるようになると、スイッチが入ったように饒舌に話し始められたということがありました。
話せば、心の中では明るくて楽しい世界を持っておられるのが分かり、嬉しかった思い出があります。
自分も、声があまり出ない時代があったので、その気持ちはよく分かります。
私の場合は、プレゼンをしている最中にしゃべり声が変わりました。
人前に出るのが得意ではないので、5分前になるとすぐ家に帰りたくなってしまうのですが、そのときは追い詰められて火事場の馬鹿力が出たのでしょう。
声が出るということは、話していることに自信が持てるのですよね。
今までは、歌う声としゃべる声は別だと思っていたのですが、実は、歌う場所と同じところで発声してよかったということが分かりました。
これは大きな発見でした。
自分の中にあるキャラクターがまた増えたような気がします。