ある日いきなり嫌われた キライキライの悪魔のループ
あるとき、急に人との関係が悪くなっていることに気がついて驚くことがあります。
こちらは、悪気もなくほとんど気にしていないのに相手の方は険悪になっているのです。最初は、とても親切で友好的だったのに、いきなりはしごを外されたような気持ちになって戸惑います。
しかし、自分自身も、人に対してそういった経験がありますので、どうしてこうなったかはある程度想像がつきます。
あるとき、ちょっとした行き違いやきっかけで、人に対して気になるところが出てくる。
そうすると、今までそれほど気にしていなかったその人のマイナスな面や、過去に受けた小さな心のささくれのようなものを次々と思い出し始めます。
ある元プロ野球投手が、人に対して、この人は「マイナス1」この人は「プラス2」とか数字で評価をつけて、人間づきあいをしているというのを聞いたことがあります。
そのように、「あのときこうだった」「そういえばあんなこと言っていたのに」「約束を未だに忘れている」「感謝の気持ちもないのか」など、過去のマイナスが1から2、3・・・と次々と増えていくのです。
それが時間がたてばたつほど積み重なり、あるとき「大嫌い」になってしまう。
私はこれを、自分の心の中にある「悪魔のループ」だと思っています。
次から次へと悪いことが思い起こされ、嫌いになっていく。
そして、不思議なことですが、自分が嫌だなと思い始めると、黙っていてもそれは相手に伝わります。お会いしたときの表情や雰囲気、呼吸などから「嫌われている」というメッセージほど敏感に感じるものなのです。
だから、相手からも嫌われる。
もし、自分が悪魔のループにはまりだしたと思ったら、私は自分でストップをかけます。
そして、さわやかに水に流す。
これは一種のトレーニングだと思います。続けているとだんだんと楽になってくるのが実感できます。
対象となる本人は、その期間ほとんど何もしていないし、悪気もない場合、せっかく上手くいっている人と自分の中の問題で勝手に嫌いになり、関係が悪くなるのは、大変損なことだと思います。
人の悪いところを探し始めるとキリがありません。
そして、自分自身も「お前はどれほどのものか」というもう一人の自分の声が聴こえてくる。
そして、もし相手から嫌われてしまっても、自分が嫌いにならなければ、それも相手に伝わり、いつかその問題は解決すると考えます。
悪魔のループに入らないようにするためには、相手の良いところは覚えていて、そしてマイナスはすぐに忘れる。
そして、もしたまに感謝されれば、それはとても有り難いことです。