私は人に対して「自信を持って」と言ったことがない
「自信を持って」とよく言われます
私は、人に対して「自信を持ってください」とは言いません。
自分は、自信のないときに「自信を持って」と言われると、あまり励まされている感じがしないのです。
本当は良くできているのに、表現方法がミスマッチで「自信がなさそうに見える」ということはあります。
そういうときは、客観的に見て「こうするといいのではないでしょうか」と申し上げることはあります。
あと、出来はそれほどでもないのに、自信があるように見えるので得をしている人もいます。これは得をしているということであって本来の自信ではない。
そういえば、師匠からも「自信を持って」と言われたことがないように思います。
「この前できていたのだから大丈夫よ」くらいは言っていただけますが、「自信を持ってください」とは今まで一度も聞いたことがありません。
先生ご自身は本当に素晴らしく、堂々とした自信が自然にあふれているように見えます。しかし、結果に対してはいつも大変謙虚で、私のような者にまで「どうでしたか」と尋ねてこられるのです。
恐る恐る具体的に感想を述べさせていただくと「出来ているか分からなかった。伝わっていてよかった。安心しました」とおっしゃいます。
こういうとき、「いつも完璧な先生も常に自信満々というわけではないのだ」、ということが分かり、また、少しも偉ぶらず生徒に対して意見を求めていらっしゃるお気持ちがすごいと思いました。
そして70代になった今でも深まられ上手になられている。
私は、自信のない自分を認めている人こそ、本当の強い人だと思います。
自信は「フリ」はできません。
自信のフリは虚勢です。
虚勢を張り、自分に嘘をつき続けると、最終的に自分をごまかしているので良き成長につながりませんし、それは人に伝わります。
だからといって、常に小さくなって生きていなさいと言っているわけではありません。
私は、自分に自信があるタイプではありません。
だからといって強いわけでもないので、いつも悩んでいます。
いつ自信がつくのか分かりませんし、ずっとこのままかもしれません。
しかし、自分の可能性は無条件に信じています。
だから、心をオープンにして人生の大切なことを追求しつ続ける姿勢を持つことで、いつか自信に満ち、自然ににじみ出て、人の心に届くときがくるのではないでしょうか。
それが本当の自信なのではないかと思います。