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ライフワークとしての学びを考えます。

人生空いている電車に乗れ

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ここ最近、すっかり各駅停車派です。
 
私は、最も混雑が激しいといわれる田園都市線沿線に住んでいます。各駅も結構混んでいることもあり、できるだけ空いている電車をねらって乗ります。
 
空いている電車だと、座って本を読んだり、アイデアを練ったり、メールなどもできますから、時間を有効活用できるのです。
でも何より、精神的に余裕ができます。移動先で人に会うならば、気持ちがゆったりとしていたほうが良い。これが一番です。
 
今日は電車の乗り方の話ではありません。
 
作曲家の千住明さんのインタビュー記事が、2012年4月21日日経新聞の記事に掲載されていて、「空いている電車に乗る」とおっしゃっていました。

     ・・・・・(以下引用)・・・・・
 
「学者だった父が『空いている電車に乗れ』といったんです。皆がやらないことをやれということでしょうか。僕たち兄弟は群れるのが嫌い。ひとりで飛んでいる孤高の鳥でいたい。僕は空いている電車に乗ってたつもりです。」
 
「数年前からオペラを始めた。日本の創作オペラは素晴らしいものがいっぱいあるんですが、こちらは文字通りの空いている電車なんです。つまりお客さんがいない。」
 
     ・・・・・(以下引用)・・・・・

兄の博さんは画家、妹の真理子さんはヴァイオリニスト。
博さんは「滝」をテーマにしたシリーズで有名ですが、最近「クリフ(崖)」で新境地を開かれています。
真理子さんも、名器ストラディバリウスを使いこなし、さらに深みと説得力が増してきました。
 
一つのことを追求し他の誰も真似できない自分のブランドを切り開いていく。
 
そんなことを言われても、これから一つのことを深く追求する才能もないし、自信もない。そう思われるかもしれません。
 
私は空いている電車に乗るための方法は一つではないと思っています。
 
もし、何か一つのことが出来るとする。
私の場合ピアノでしたが、ご縁あって合唱指導や運営をすることになり、どうしても声楽・ボイストレーニングのスキル、そして、指揮やスコアを読む力、加えて、文章を書くことなども必要になった。すべて必然に導かれるように、世界が広がった。
 
そして、あるとき気が付いたのですが、ピアニストで合唱や声の指導が出来る人は、周囲にそんなにいなかったのです。
 
一つのことを深く追求することを「T字型」と言われます。
それを少し増やして、「π(パイ)字型」→「タコ足型」→「イカ足型」としていくことで空いている電車に乗ることは可能だと思います。
 
しかし、「生き残り」や「サバイバル」のために空いている電車に乗るのではない。
基準は社会のお役にたてるかどうか。
そこさえぶれなければ、きっと必要とされる人になると信じています。

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