「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」 これがあってこそ初めてこの本が役に立つ
「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン 人々を惹きつける18の法則」という本を読みました。
今や世界を魅了してやまないアップル製品。
ジョブズのプレゼンなしにアップル製品がこれほど注目を浴びることはありえなかったかもしれませんね。
それほど、彼のプレゼンというのは威力のあるものだと思います。
あのプレゼンを見て、ジョブズのようなプレゼンがしてみたい。
誰しもがそう思わずにはいられないでしょう。
それでは、この本にある18の法則さえマスターできれば、感動的なプレゼンができるのでしょうか。
もちろん、知っているのと知らないのとでは大きな違いがあるほどこの本は説得力があると思います。
しかし、ジョブズ講演でのあの瞳の輝き。
この製品は素晴らしいと心から信じている人だけが発するオーラ。
演技だけでは絶対に醸し出されないものだと思いました。
「この製品は素晴らしい!ぜひたくさんの人に使ってもらしたい。・・・それでは、どうやってこの素晴らしさを皆に伝えようか。」
まず、基本はここから始まるものだと考えます。
音楽の演奏でも、まず作品に接して感動し「多くの人にこの作品の素晴らしさを伝えたい、分かち合いたい」と思うところからすべてが始まります。
じゃあそのためには、どういう練習をして、どういう技術をマスターしなければならないのか?どういう表現とスタイルで演奏すべきなのか?・・・となっていくのです。
「素晴らしいものをどうしても伝えたい」
この気持ちがあって初めてこの本が役に立つのだと思います。
多少不器用でぎごちないところがあったとしても、万が一当日アクシデントがあったとしても、聴衆には伝わるものだと信じています。
私がこの本の中で最も重要だと思ったところは以下の3点です。
1、簡単に分かりやすく。
2、テーマを一つに絞る。
3、骨太のストーリー。
自分はもしかしたらその会場で一番知っているのかもしれません。
しかし、一歩下がって自分の背中を自分で見てみる。
「自分はこんなに知ってるってことを言いたいだけじゃない?」
なんのためにこんなに人々に集まってもらったか?
誰にでも、そこにいる人たちすべてが分かるように話すことができなければ、いくら魅力的に話せたとしても、いくら素敵なチャートを用意できたとしても、そのプレゼンは成功といえるのでしょうか?
聴衆が会場を出たとき、「一番言いたかった一つのこと」を感じて帰ってくれれば大成功だと思っています。