「ミラクルは朝やってくる」 オルタナティブ・ブロガー会議講演より
5/21(金)にオルタナティブブロガー会議が開催されました。
『2004年に【朝メール】をはじめた訳~朝活は事業を成功させる助けになるのだろうか~』というテーマで、株式会社いいじゃんネットの社長、坂本史郎さんの講演があり、その深い内容に大いに感銘を受けました。
坂本さんの講演スタイルは、柔らかく飄々とした語り口で、物語を紡いでいくように聴き手を導きます。
専門用語を連発されることがなく、常に分かりやすい言葉で語りかけてくださり、IT用語不勉強の私でも、最初から最後まで耳を傾けること出来ました。
講演資料も、シンプルかつ印象的。小細工一切なし。余分なものを極限まで削ぎ落としたことで、かえって力強くメッセージが伝わるものだったと思います。
私にとって忘れてはならない言葉の数々をいただきました。
自分の記憶と記録のためにも、そしてこの日来られなかった方々のためにも、今日の記事にさせていただければと思います。
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「やめたい」
坂本さんは2000年に立ち上げた会社「いいじゃんねっと」で、次々と打ち出す企画の失敗が続きました。
数億円を簡単に使ってしまう。同士である社員とは毎日のように喧嘩続き。給料は13万円。坂本さん自身も40歳にして親からお小遣いをもらうほどでした。
「もしかして失敗したの?」
自問自答する日々でした。
やめたいという気持ちをある人に相談したとき、サラリと言われました。
「じゃあ、やめたら?」
そのとき、はっと気がつきました。
「自分がやめたら、簡単にパタパタと終わってしまう」
ちょうどそのとき、坂本さんは「内観」に出会いました。
「内観」とは「自分の内面を自分で見ること」。
日常の情報を遮断して、1日15時間一週間連続して座り、ひたすら自分自身を見つめ続ける作業を行います。
そのとき、考えることは
「何をしてくれたか?」なのです。「何をしてくれなかった」ということは一切考えません。
・6~9歳のとき母が何をしてくれたか。
・それに対して何をお返ししたか。例えば、「母に絵を描いてあげた」などです。
・そして自分はどんな迷惑をかけたか。
それぞれの記憶を呼び覚ましていきます。
毎朝6時に起床し、掃除など決まったことを行い、そのあと集中内観に入ります。
食事も野菜料理中心に、これを一週間行うとすっきりしてきます。
こうしていると、あるとき「はじける」という瞬間がやってくるのです。「ああ、分かった」というイメージが訪れます。
『一人では生きていなかったことが分かった』
そして様々な気づきがやってきます。
・人の意見は聞いていたが、社長として自分の考えをはっきり表明しなかった。
・社員に対する内観をしていなかった。
・自分の考えは劣悪ではないということに気がつく。
それをきっかけに、坂本さんは「朝メール」を開始するのです。
自分の考えをまとめて伝えること、良いニュース、連絡事項、チャレンジテーマ、エッセー、スケジュール、レポート、などなど・・・。
完全夜型だったのを、4時20分起床、始発出勤の朝方に切り替えたのです。
早朝というのは続けやすいというポイントがあります。社員に向けて毎朝書き続けました。
朝メールをすることで、少しずつ良いことが増えていきます
・考えが整理される
・発生している詳細の把握ができる
・文面化することで考えのブレが少なくなくなる
・考えの合わない人が去っていく
・考えの合う人が残っている
・清潔感がある
・積み重ねを意識し、夢をもつ
・会計が綺麗になる
・報告モレが減る
・社員意識の統一
・風通しがよくなる
そして積み重ねと早朝の効果でしょうか。ミラクルが訪れます。
自社製品を使ってくれる会社も現れ、業績が上がり始めました。
「早起きはつらいですよ。でも事業が上手くいかない苦しさはもっとつらいものです。」
「経営とは皿回しなのです。組織というのはすぐに澱がたまる。こっちの澱をとったと思ったら次はまた違うところで澱が出ている。それを皿回しのように次から次へと細かいところまですぐにすくうこと。この姿勢が大事なのです。」
坂本さんが最後に力強くおっしゃった
『ミラクルはおきます』
という言葉。
修羅場をくぐってこられた方だからこその説得力と、朝日のような輝きに満ち満ちていました。
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4月26日の「朝カフェ次世代研究会」においても、坂本さんの講演を聴くことができます。きっとまたエネルギーをいただける講演になるのではないでしょうか。
★2010/5/24訂正箇所
「毎朝365日書き続けました」→「毎朝書き続けました」
以上訂正させていただきました。失礼いたしました。