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ライフワークとしての学びを考えます。

接客とはおもてなしの心

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この頃よく訪れるカフェがあります。

銀座の老舗レストランM会館一階のイタリアンバール。
「バンコ」というスタンディングスペースがあり、リアルイタリアな雰囲気が以前行ったフィレンツェの街を思い出させてくれます。
仕事前に一人で10~15分ほど立ち寄るだけですので、気軽なバンコは重宝しているのです。

先日は2週間ぶりで6回目の再訪でした。

入店してぼんやりとケーキのショーケースを眺めていたら、
「いらっしゃいませ。今日はモンブランにいたしますか?」
とバリスタのN氏。

私は「えっ・・なぜモンブランですか?」と思わず聞いてしまいました。

そうすると
「いえ、まだモンブランは召し上がっていなかったので。
お飲み物はカプチーノですね?」
とおっしゃいます。

確かに、他はいろいろと試したけれど、モンブランだけはまだでした。

驚いたのは、一週間か二週間に一度、しかもまだ5回くらいしか来ない私を覚えていること。
そして、今まで何を飲んだり食べたりしているか、きちんと記憶していることです。
高級フレンチなら分かりますが、私のようにさっといなくなる客で、他にいらっしゃるお客様も多いに違いありません。

もし、私が人違いであったり、モンブランはすでに食べていたりしたら、どうするつもりだったのでしょう?
すごい自信です。
プロフェッショナルだと思いました。

そして、私が到着したらすぐに化粧室に行くことも了解していて、出てくるのを見計らったようにさりげないタイミングで、最高の状態のカプチーノを準備してくれるのです。
カフェは、奥のサロンも含めて狭くないのですが、たった4人のスタッフで目配り気配りが行き届いています。

N氏はサッカーの中田英寿なみに視界が広いと思われます。
私と話しながら、次のお客様をチェックしており、すぐに笑顔で話かけ、コーヒーを準備し、そろそろお帰りのお客様にも気がつき、常にホールを無駄なく動き回っています。

帰りのレジで、スタッフの方が言います。
「モンブランいかがでしたか?特に人気があって、夕方には売り切れてしまうんですよ。」

ここでもまた驚いたのは、彼がきちんとN氏と私のやり取りを聞いて知っていたことです。
そして、N氏は美味しいお勧めのモンブランを私に食べてもらいたかったのですね。
押し付けない気遣いのある接客に感激しました。

まさに「おもてなしの心」
接客とは奥深いものですね。

音楽も、アンコールの曲を告げる以外は、一言も言葉を入れない接客。
演奏会にいらしてくださるお客様にも、良い気持ちで、元気になってもらって、ホールを出ていただきたいですね。

心温まる接客に一瞬の極上の時間。
一杯450円のカプチーノは高くないと思います。

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