最新のサーバーは節電・計画停電に対応するのか
久しぶりに、ハードウェアの発表会に参加。デルの1ソケットのエントリー向けサーバーの新製品発表だ。
このPowerEdge T110II / R210II、最大のポイントはXeon E3-1200に対応したということ。いち早く、最新のインテルプロセッサを採用したというわけだ。エントリーとは言え最大32GBのメモリを搭載でき、HDDも2.5inchなら数多く積めるのでRAID5 / RAID10にも対応できるとのこと。もう1つの特長が、低消費電力版のプロセッサに加えて、LVメモリと呼ばれる1.35V駆動可能なメモリも標準で、消費電力をかなり抑えているところだろう。SSDにも対応しているので、これを利用すればコストは上がるが性能向上とさらなる消費電力削減の両立も可能となるとのこと。
ここまでが最新のハードウェアの話。実は、奇しくもかなり似たようなスペック、価格帯のマシンとなる、Xeon E3ファミリプロセッサ搭載のエントリーサーバーがHPからも発表されていたりもする。
今回の新製品にだけ対応ということではないが、デルは面白いプログラムを走らせている。それは、「Dell 節電・計画停電対応プログラム」というものだ。夏の電力供給量の逼迫、あるいは停電への対策として、PowerEdgeサーバーの省電力設定と、リモート制御による停電対策をセットにしたものだ。まずはBIOSの設定でサーバーを「エコドライブ」するとのこと。日常的に稼働率が低い状況がある場合に、設定を最適化して節電モードで動くようにする。
さらに、消費電力量の上限設定も可能だとか。サーバーごとに消費できる最大電力量の上限を決めておくことができるとか。これ、電力バジェット機能と呼んでいるようだが、もともとは限られた電力供給量しかないラックに供給量を超えるサーバーを搭載するというようなときに、安全かつ効率的に行えるようにする機能だったようだ。
これらの設定はiDRACという管理ツールを使うことで、すべてリモートに制御できる。なので、データセンターが遠隔地にあって、突然停電の可能性があるということが分かった際にも、リモートから制御できる。このリモート管理、OSのレベルではなくBIOSのレベルからできるのがその特長になっているとのことだ。
かつては、サーバーというと大容量のデータをとにかく速く処理できることが重要だったけれど、いまやエコドライブする時代に。東芝から充電池を搭載して停電時には充電池で稼働できる液晶TVなんていうものが提供されるニュースもあったが、そのうちサーバーにも充電池が搭載され、夜間などの電力供給に余裕があるときに充電しておいて逼迫している際には蓄えられた電力で動くなんていうハイブリッドサーバーなるものも登場するのだろうか。なんてことを思ったりもして。