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縦書きePubの書籍が流通するのはいつか #adpf2011

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 さて、昨日のAdobe Digital Publishingフォーラム2011の話題をもう1つ。2つ目のセッションで解説が行われたePubについて。

 「電子書籍の新フォーマット、日本語対応EPUB3.0の詳細解説」と題して、国際大学フェローの村田 真氏が講演を行った。最新版となるePub3.0は、今年の5月には完成され公開される予定だとのこと。内容的には、日本では重要な縦書き、ルビに対応するというのが最も大きな変化だろう。そして、記述の方向性としては、HTML5を取り込み、レイアウトのスタイルシートに関してはCSS2.1+CSS3(一部)ということになるようだ。

 この今年5月リリースという日程、村田氏によれば「絶対」だそうだ。そのため、5月時点で間に合わない機能を標準から落とすことはあっても、5月にはePub3.0は必ずリリースされるとのこと。そして、縦書きとルビに関しては、すでにできあがっているので5月に出る3.0ではこれら機能が入ることは確実のようだ。

 ということで、今年はけっこうePubくるんじゃないかなと思ったり。まあ、もともと我々はePubにはかなり注力していきたわけだが、日本語に本格的に対応してくることで環境も変化しそうな気配が。期待しているのは、「いいePubリーダーが、PCやMac、さらにはAndroidの環境で利用できるようになること」そして「できることなら安価な仕組みでDRMも利用できるようになること」が実現すればなといったところだ。

 じつは、いくら5月に新しいePub規格が出ても、それに対応した賢くて使いやすいリーダーが出てこないと意味がないのだ。日本語対応なので、日本のメーカーが頑張るべきところなのだけれど、現状ではこれが決定版といえるような使いやすいリーダーがない。じつは、ないなら自分たちでもいっそ作っちゃおうかと試みたりもしているが、読みやすい日本語レイアウトにこだわり始めると、これがなかなか一筋縄でいかないということも分かってきたのだった。それと、リーダーを市場に出すだけでは、じつはビジネスになかなかならないというのも、ちょっと力を入れて開発するのを躊躇してしまうところ。

 とまあ、そんな状況なのですごく大きな期待をしつつも、本当に縦書きePubの電子書籍が盛り上がるのはまだちょっと先なのかなぁ、と思ったりもする自分がいたりするのだった。

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