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期待はずれな来年度予算案

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 来年度の予算案が、閣議決定した。不景気で税収が減る中、過去最大の92.3兆円。国の借金も大きく膨れ上がるようだ。

 個人的にはかなり期待はずれな予算案。その理由は、借金が増えるからではない。税金って、国民から小さく(必ずしも小さくないかもしれないけど)広く集めて、大きくなったものをまた広く配り直すのでは、なにも改革できないと思う。たとえば今回、新卒者の就職支援に33億円の予算が充てられるそうだ。内訳としては、未就職の卒業者を1ヶ月体験雇用させるとその企業に8万円支給する。さらには、ハローワークに就職支援にあたる「ジョブサポーター」を928人も配置するそうだ。

 この8万円があるからといって、体験雇用させようと思う企業はどれだけあるのだろうか。928人のジョブサポーターって、本当に効果的なのか。相談を受けられる人をいくら増やしても、受け入れる企業側の景気が上がっていなければ、結局は効果は発揮できないのでは。

 そうやって考えると、33億円は企業が活気付く新たなイノベーションに投資したほうがいいのではと思ってしまう。なんだか、交付金だの、補助金だの、無料化だのばかりで、新たな産業やそれに伴なう雇用を生み出す計画がまったく見えない気がする。これじゃあ、借金しながらなんとか生きながらえている、苦しい中小企業の経営状況と一緒だ。来年度の予算案の中に、数年後に成長が期待できるものへの投資を少しは見せて欲しかった、ということで大きく期待はずれだったというわけだ。

[社説]政府予算案 期待裏切られた政権公約(山陽新聞)

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