大事なのは個人のプロファイルではなく行動履歴
連休前のニュースになるが、Yahoo! JAPANがクリック課金型のインターネット広告の新サービス「インタレストマッチ」を開始するとのこと。
従来、マーケティング担当者は、顧客やこれから顧客になるであろう人の、プロファイルを集めることに必死になっていた。どこの会社に勤めていてい役職はなにか、決裁権はあるのか、年収や家族構成は、趣味はといった具合に事細かなプロファイルを得てそれを分析して商品やサービスを売り込んできたわけだ。
しかしながら、転職するかもしれないし新たな家族が増えるかもしれない、引っ越しだってするだろう。そうなると、プロファイルを常に新鮮な状態に保たなければならない。これには、手間とコストがかなりかかる。
さらに追い打ちをかけるように、個人情報保護法がでてきた。個人情報の管理の厳密化が求められ、ユーザーも個人情報を提供することにかなり慎重になるようにもなった。これまでは個人プロファイルをとにかくたくさん集めることに必死になっていたのに、いつのまにか個人プロファイルを集めることが企業のリスクになってしまったのだった。
で、今回のYahoo! JAPANの新しい広告だ。
もちろんYahoo! JAPANは膨大な個人プロファイルを抱えてはいるのだけれど、今回の広告の肝は閲覧履歴、つまりはインターネット上での行動履歴だろう。極端なことを言えば、その人がどんな人でも関係ないのだ。女性だって男性向けのマンガを読む人もいれば、東京に住んでいてもふるさとの長崎県のお店情報を検索するかもしれない。プロファイルよりも、その人が何を検索しどのページに訪れ、その結果何を買ったのかが分かればいい。そう言う意味では、Amazonのリコメンドの機能と少し似ているのかもしれない。
これまでWebのメディアは、メディアに集まってくるユーザーのプロファイルを提供することで広告収入を得ていた面があったが、これからはどこそこ会社の誰がではなく、サイト上でどういう行動をとった人がという情報を提供し、対価を得るようになるのかもしれない。