役所の常識は世間の非常識では困るのだ
もう13年くらい前、とあるイベントに出展したときのこと。自分はデータウェアハウスの担当だったが、もう1つの出展内容がERP。転職したてで、それまでは同じITの世界でもどっぷりとテクノロジー寄りで、ビジネス向けITはとんと分からない状態だった。
で、自社ブースの出展内容にもかかわらず、ERPという3文字略語がなんだかさっぱり分からない。プレゼンテーションを見ても、いまひとつ理解できない。はずかしながら、こっそり同僚に「ERPってなんの略??」と訊いたことを、今でも憶えている。
で、あれから10年以上も経過しているのだが、いまさらながらERPはなんぞやという記事が、ITmediaに掲載されている。
いつのまにやらERPは、その本来の経営資源の最適化という意味合いは強調されずに、いわゆる基幹系のアプリケーションパッケージをうまく導入することばかりがフォーカスされているような。まあ、アプリケーションパッケージをうまいこと導入して活用できれば、大抵は経営資源の最適化に一歩近づくことは間違いないのであろう。先日SAP ERPの導入事例の話を聞いていた際、「パチンコ屋の常識は世間の非常識」ということが「SAP ERPを導入していく過程でよく理解できた」、結果的に企業として成長できた、というコメントを耳にした。なるほど、これこそもしかしたら本来のERPの意味する効果なのではと思った次第。
ということで、ここ最近、居酒屋タクシーだのマッサージ器の購入だのと、どうみても無駄遣いはなはだしいお役所の活動。ここで、1つERPを真剣に考えてみてはいかがか。消費税率上げるのも環境税導入も、そこから得られる税金が本当に必要なところにきちんと回るのなら、文句も少ないはず。ERPで「ヒト、モノ、カネ」を最適化すれば、おのずと無駄は明らかになり、それはなくなるのでは(そうあって欲しい)。
企業は、無駄なコストは1円でも削り、なんとか他社との競争に勝ち残ることを必死に考えている。それが世間の常識だ。役所の常識は、それとはかけ離れたところにあるのか。「役所の常識は世間の非常識」のままでは、だれもこれ以上税金を払おうとは思わない。