あらたにすで社説を比べてみた
「あらたにす」で社説を読み比べてみた。あらたにすについては、どちらかというと期待はずれ的なコメントが多いような気がする。期待が大きすぎたのか。
たんに、最新のニュースを読み比べるならば、あらたにすよりもGoogleニュースのほうが使いやすいかも。読み比べられる媒体もはるかに多いし。ただ、こうやって数日前にさかのぼって、各社の社説を読み比べるのには、たしかに便利だ。
で、読み比べたのは、マイクロソフトによるYahoo!買収の話題。3日日曜日の段階で、日経と読売が社説で取り上げている。それに対し、朝日がこの件をとりあげたのが、今日6日の朝刊だ。
読売新聞は、それまでに判明した事実を並べている。あまり懸念も意見もないのか、主張はいまひとつ読み取れなかった。日経も基本的にはその時点で分かっていること、予測されることが中心で、最後に日本企業もかなり影響がありそうであり、マイクロソフトという企業の盛衰が今回の提案にかかっていると結んでいる。どちらも社説で取り上げたのが早かったためか、この件に関する強い主張であるとか意見は読み取れない。まだこの時点では、様子見といったところか。
対して朝日。時間があったためか、けっこう意見的なことを述べている。タイトルからして懸念を表明している感じだ。記事の真ん中あたりで、Yahoo!の買収が成立すると、マイクロソフトの独占的な市場の囲い込みが復活しネットの発展にとってマイナスではと述べている。IEを起動するとヤフーのページが自動的に現れるようになるのだろうかとの疑問を投げかける。
これはなんとなく違うような。たとえ、IE開くとYahoo!のページが表示されたからといって、それでGoogleの検索シェアが切り崩されるとは思えない。これだけで、マイクロソフトの囲い込みが成立するのだろうか。Googleなんかが指摘しているのは、マイクロソフトとYahoo!を合わせると大きなシェアとなるインスタントメッセージあたりに対して懸念がありそうだ。そもそも、もし囲い込みが成立するのならば、現状でもっとMSNのシェアが高いものでなければならない。
なぜGoogleを検索で多くの人が使っているのか。そのあたりもうちょっと考えて欲しかった、といったところだ。この社説を書いた人は、Yahoo!を検索に普段使っているのかなと感じた。
朝日の最後は、ネットの再編も新興企業が出てくるようなダイナミズムを促すようであってほしいという話で結ばれている。この話自体は、それはもちろんそうだねって感じ。ただ、検索という市場だけみれば、すでにシェア6割もあるプレイヤーがいるような市場に、新規参入するというのはビジネスセンス的にはいかがなものかとも思ってしまう。
社説って、各社の主張がもっと前面に出てるものだったイメージがあるのだけれど、こうやって読み比べてみるとけっこうあっさりしている。各社の主張というよりは、題材として得て不得手があるのかもしれないなと感じた次第だ。