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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

で、BEAの価値はいったいどうなったのか

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 オラクルのBEA買収提案の期限が過ぎ、1株あたり17ドルでの買収提案はいったんはご破算になったようだ。

 この一連の騒動で、得をしたのはやっぱりオラクルで、かなり損をしたのはBEAだなと思う。買収提案でBEAの株価は上がったが、提案期限きてしまい提案価格よりも下落したようだ。さらに、「BEAはどこかに買収されちゃうかもしれない」というイメージは、強く市場に印象付けられたことは間違いない。製品の性能、機能的に優れていても、買収されちゃうかもしれない製品の導入に、二の足を踏むユーザーがいるはずだ。そういう意味では、直接的には一銭も使わずに、ライバル製品の価値を落とすことに成功したのは、オラクルということになる。

 さて、このあとBEAを友好的に買収なりする企業は現れるのだろうか。しばらく様子をみたあとに、オラクルから再度の買収提案がなされるのだろうか。その際は、1株はいったいいくらになるのやら。どう転ぶにしても、やっぱりオラクルに有利な戦いに見える。オラクル嫌いな各社は、今回のことにどうかかわることで、自らの利益になるかオラクルを凹ますことができるかを画策しているはずだ。傍観者としては、誰か名乗りを上げてヒートアップすることをちょっと期待してしまうが、それは不謹慎かな。

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