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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

IT業界のモノポリーゲーム

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 12時過ぎに終了した発表会の記事が、13時過ぎにすでにアップされている。まあいまなら、記者発表会の会場からWebサイトに簡単に生中継するのも、ごく簡単なことかもしれないが。

 発表の内容は記事を参照してもらうとして、オラクルの呼びかけに主要なハードベンダーが賛同し、競合ながらもこれだけの蒼々たる企業を同じ壇上に載せてしまっているのだから、それは驚くに値することかもしれない。

 IT業界は、まさにモノポリーゲーム状態に入っていて、ここのところいいペースでゲームの主導権を握りつつあるのが、オラクルであることは間違いない。各社ある部分では競合しながら、ある部分では手は結ぶ。先日のマイクロソフトとノベルの歴史的な提携にしても、このモノポリーゲームの駆け引きの1つに違いない。

 このゲームでは、大物同士の提携や買収、融合などが注目されてしかるべきなのだが、先日発表のあったオラクルによるステレントの買収あたりは、大きな注目を浴びないかもしれないが、個人的にはいいところを突いてるなぁと思う買収だ。

 先日開催されたOracle OpenWorldサンフランシスコの発表を見ても、オラクルが今後コンテンツマネージメントに力を入れてきそうな気配はあった。次期Oracle Database 11gでも、新しいXML関連やFast LOB'sなんて機能が出てくる。それらに、コンテンツマネージメントで実績のあるステレントの技術が新たに加わることになる。OpenWorldのオープニングで、プレジデントのチャールズ・フィリップ氏が「買収はオラクルにとって最高のものを手に入れる実証済みのR&Dだ」と言っていたが、今回の買収はまさにそれにあたるものであろう。

 このゲームは、まだまだ続きそうだ。ずっと勝ち続けるというのは、そう簡単なことではなないと思うが、崩れる気配はいまのところ見えない。

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