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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

がんばるだけの品質向上活動からの脱却

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役割を意識しすぎたり、自分の短期的な仕事を達成することを重視しすぎて本来の目的を見失うということは、どのような活動においても起こり得ます。ソフトウエア開発でも同様で、ユーザのために品質向上しようというきっかけではじまった内容がいつのまにか、~達成率80%を目指すだけの活動にかわっていたりします。

開発プロジェクトで、元々リスクを低減したり、残件を消化することが本来の目的であったのにも関わらず、リスク管理表やtodo管理表を更新することに腐心してしまっていることがあります。そして、ステータスがかわったかどうか、変わった理由、変わっていない理由を記録することばかりに気をとられて、本来の目的を忘れてしまっているリーダを見ることもあります。なぜステータスが期待どおりの状態にかわらないか原因を明らかにして、とれそうであれば対策をとるのが本来の目的です。

他にも、何のためにテストするかを明確にせずに「目標10,000テストケース実施」のようなものを作ってしまったりと、好ましくない状況はいくつもあります。

このようなことが起こらなくするためには3段階で活動の整理が必要と考えています。1段階目はそもそも活動が品質向上に寄与しているかどうかがモニタされており、品質向上活動から一定の効果を得ている状態です。

2段階目は、1段階目の内容が関係者で合意がとれている状態です。特にユーザ、そして、リーダ、開発者、テストエンジニアの間で品質の定義、品質向上のための活動が共有、合意されている状態です。1段階目との違いは、それぞれが思い思いの品質向上をイメージし、バラバラなことをやっていない点です。

3段階目は、自身の開発プロジェクトやソフトウエアのコンテキスト(前提や状況)、特徴が整理され、関係者で合意できている状態です。このソフトウエアはこの機能がもっとも大事、この面で高品質が求められ、それ以外の面よりも要求が厳しい、といった特徴が整理され、合意されている状態です。この段階では、他でうまくいった技法なりプラクティスなりのコンテキストや開発対象のソフトウエアを理解せずにやみくもに自身のプロジェクトで利用しようとすることはありません。

これらの3段階の詳細と事例、改善にむけた施策を紹介する機会をいただきました。2012年10月26日(金)に札幌で開催されるソフトウェアテストシンポジウム2012北海道の基調講演です。本エントリのタイトルはそのタイトルです。

7/31(火)までに申し込むと早期割引で参加費が2,940円になるそうです。10月25日(木)夜には前夜祭が、10月27日(土)にはシンポジウム参加者を対象として有志で北海道ツアー(費用別)も計画されているそうです。北海道にお住まいの方以外でも北海道での息抜きも兼ねて参加するという手もありそうです。

シンポジウムの詳細はこちら。申込みはこちらです。基調講演のタイトルとアブストラクトはこちら

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