日本の事情にあわせながらアジャイルな開発 - AgileTour 2010 Osakaセッションから
Agile Tour 2010 Osakaに参加した。Agile Tourは世界の様々な国で開催されているカンファレンスだ。細谷氏が日本で最初のAgile Tourを大阪でやろう、と思い立ったことがきっかけだそうだ。細谷氏、前川氏をはじめスタッフの方々に感謝。XPJUG関西のウェブに会場の様子や資料、ビデオ等へのリンクが掲載されている。
基調講演は長瀬氏。日本向けのアジャイル開発の内容。「日本はウォータフォール開発を極めた。外国人向けにはエクストリーム・ウォータフォールと説明している」というのがおもしろかった。いきなりプロセスをガラッと変えるわけにはいかないので、過渡期として、日本の事情にあわせてプロセスを検討されているそうだ。たとえば、常に要求を出せる人を開発チームにおいておくことは難しいので、要求定義に該当するフェーズを作ってからイテレーションを開始する等。
私も欧米の人から「日本ではウォータフォール開発がうまくいっていることが多いらしいが、秘訣はあるの?」と質問されることがあるので、長瀬氏のご講演を参照しつつ、次から「XW」という回答をするのもよいかもしれないと思った。
午後からのセッションも、和風の味付けというか、開発のコンテキストに応じて適用に向けた工夫をされているという紹介が多かった。また、LTでお話されていた@kami_teru氏のご発表にも「コンテキスト」が私には印象深かった。
カンファレンス全体を通じて、アジャイルを身近に感じることができた。1つ気になることがあったのは顧客の利益やソフトウェアの価値という話はそれほど多くなかったように感じたこと。ディベロッパ向けの話なので、ある意味当然なのかもしれないが、和風のアジャイルにすると日本の顧客にとってはこのようにいいことがある、という視点での説明はそれほど印象に残らなかった。
当初、用事があり、午後からのセッションには参加しないつもりでいたが、状況がかわり、参加できた。はじめてLTに参加、登壇することもでき、いろいろ楽しめた。スタッフの方々に感謝。