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レガシーソフトウェアの保守と競争力維持

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ルーセントテクノロジでソフトウェア開発の経験があるHarvey Siy准教授の商用ソフトウェアのアウトソース/オフショアに関する講演を拝聴した。名古屋で開催されたAPSEC2007という国際会議のAccountability and Traceability in Global Software Engineeringというパネルセッション中で「Monitoring Offshored/Outsourced Software Maintenance Projects」というタイトルである。

その冒頭部分の話が理にかなっていて印象的だった。

  • 保守や機能拡張を続けると複雑化が進みメンテナンスコストが高くなる。
  • 競争力維持のためには、レガシーシステムをそのまま流用/拡張するのではなく、いつかは再設計をしなければならない。
  • レガシーシステムの保守や機能拡張をオフショア/アウトソースする。
  • 次世代のソフトウェアの開発や再設計は自組織で実施していく。

オフショアといえばコスト削減というイメージが前に出すぎて、国内ではプロダクトを作らないことと認識されることが多いように思う。その結果、空洞化や競争力の低下の面をフォーカスされがちである。しかし、現行システムのメンテナンスやカスタマイズ部分をオフショアし、次世代の基盤部分の開発にリソースを収集すれば競争力強化につながるだろう。実際、プロダクトラインを持つ企業がメンテナンス業務をアウトソースすることはそれほどめずらしくない。

レガシーシステムの再設計は多くのソフトウェア開発企業の共通の悩みだろう。また、10年、20年と保守を重ねているソフトウェアやシステムも増えてきているのが実情だろう。機能拡張や保守の難しさは誰もが認識しているところであり、ソフトウェアのライフサイクルの検討や経年劣化を前提とした投資効果を考えはじめる時期だろう。次世代の基盤開発にむけてリソースを集中し、現行の保守をオフショアすることはライフサイクルの上でも合理的だと思う。

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