「仕事で企画や提案をしていく必要性はよくわかる。しかし現実には,日々の仕事が忙しい」 →どうするか?
ある講演会で、ビジネススキルについてお話ししました。Q&Aタイムに、若い方からこんな質問をいただきました。
「仕事で企画や提案をしていく必要性はよくわかりました。
しかし、日々の仕事が忙しいのが現実です。
何かアドバイスはありませんか?」
私も20代の頃は、実は全く同じことで悩んでいました。
その当時、私は「仕事のスピードを上げて、誰よりも早く仕上げられるようにしよう」ということばかりを考えて仕事をしていました。
とても小さなことから始めました。たとえばパソコンで文書作成をする場合は、ショートカットキー等を使って速く編集する方法を身につける、とかいったことです。
このような小さなことでも、積み重ねていくとバカにならないものです。数年間続けているうちに、周囲の人と比べると、たとえば資料を半分の時間で作れるようになりました。
このように仕事のスピードがあがると、より速く仕事を片づけることができ、余った時間を、企画に使うことができます。
2014/6/24の日本経済新聞の記事「締め切り、小刻みに設定 漫画家・弘兼憲史さんの時間管理術」で弘兼憲史さんがおっしゃっていたことも、参考になります。
---(以下、引用)---
当然、(原稿の)締め切りは守らなくてはならない。そこで僕は「小さな締め切り」を自分で決めるんです。
...例えば今3時で、取りかかっているページが1時間で終わりそうなら「4時」、次のページは「4時45分」、その次は「6時」、というように。自分で設けた締め切りを守るという目標に集中するのです。自分で締め切りを設定することで、ゲーム感覚が生まれ、やる気を高めることができる。
....こんな生活を続けるうちに何かしら経験が積み重なっていく。目の前のことを一生懸命やり続けることで経験値が積み上がり、仕事の質も高めていけるのではないかと思っています。
---(以上、引用)----
このように、自分で「小さな締め切り」を作るのも有効ですね。「目の前の仕事をやり続ける」ことが積み重なって、仕事力が上がっていきます。
一方で私の場合、30代中頃になってから、「仕事のスピードを上げるだけでは、どうも越えられない壁があるようだ」と感じてきました。
仕事には、「やるべき仕事」と「やらなくてもいい仕事」があります。「やらなくてもいい仕事」を一生懸命に速くこなしても、あまり意味はありません。むしろ、たとえゆっくりであっても「やるべき仕事」だけに集中した方がいいことが多いのです。
他人から言われたばかりをやっていると、このパターンに陥りがちです。ですので、結局、自分で企画・提案していくことが必要なのです。
そこで30代中頃になってからは、意図的に「やるべき仕事」を考える時間を増やすようにしました。調べ物、人間関係作り、スキル向上等に時間を配分し、企画・提案に繋げていきました。
しかしこのようなことができるのも、「仕事のスピードを上げる」ことが前提です。どうしてもやらなければならない仕事もあるからです。
ですので、
・まずは、目の前の仕事を速く仕上げるような、仕事力を付ける
・空いた時間を、企画・提案に使っていく
・そして「やるべき仕事」(自分がやりたい仕事)に徐々にシフトしていく
このように取り組むことが必要なのかな、と思います。