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「日本企業は、海外では『過剰品質』なのではなく、実は『低品質』なのだ」という認識が必要なのかもしれない

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日経ビジネスオンラインの次の記事を拝読しました。

「日本企業がグローバル化できない本当の理由って何ですか?」
早稲田大学ビジネススクールの淺羽茂教授に聞く

記事では、淺羽さんがよく使う例として、日本のゼネコンが競って開発してきた、超高層建築向けの耐震性の高い高強度コンクリートを紹介しています。

上海やドバイでは多くの超高層ビルが建設されましたが、高強度コンクリートは全く採用されませんでした。材料を絶妙な配合で混ぜたり、精緻な施工管理ができる人材・材料が、海外では調達できなかったためです。

上海やドバイの超高層ビルは、性能で劣っても、調達しやすく簡単に配合できるコンクリートを使いました。

記事で淺羽さんは次のように述べておられます。

「こう考えると、日本の高強度コンクリートは過剰品質ではなく、非常に低品質だった。低品質で、なおかつ価格が高いから売れなかったのだと見るべきなのです」

 

「なるほど!」と思いました。

 

私たちが「高品質」と言う場合、往々にして技術面だけを意識しているケースが多いのではないでしょうか? そして提供する技術が顧客ニーズを上回っているケースを、「過剰品質」と呼ぶ傾向があります。

しかし「過剰品質」なのに採用されないのは、他の課題(このケースでは、調達しやすさや配合しやすさ)に応えられていないからです。

つまり、「顧客の課題」を考慮していない孤高の「高品質」なのであり、「過剰品質」なのが現実なのです。

日本市場向けの高品質商品は、「顧客の課題」から品質を捉えると、実は海外市場では「過剰品質」ではなく、「低品質」なのだ、という認識が必要なのですね。

 

記事では、先日当ブログでもご紹介したユニクロのバングラデシュでの取り組みも紹介されています。

本来、グローバル化を推し進める際には、現地のきめ細かな顧客の課題を理解して先取りし、応えていくことで、品質を高めることが必要なのです。

記事を拝読し、「顧客の課題が出発点」というのは、グローバル市場においても大切なことなのだ、という当たり前のことを再認識しました。
 

 

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