GoogleやAppleが膨大な失敗プロジェクトを続けている理由が分かると、イノベーションが生まれる仕組みが分かる
新しいサービスや商品を生み出しているGoogleやAppleは、一方で膨大な失敗プロジェクトも生み出し続けています。
Googleの失敗プロジェクトは、次のとおりです。
Google X (2005)
Google Catalogs (2002→2009)
Google Web Accelerator (2005→2008)
Google Video Player (2005→2007)
Google Answer (2002→2006)
Google Wave (2009→2010)
Google Search Wiki (2008→2010)
Google Audio Ads (2006→2009)
Dodgevall (2005→2009)
Jaiku (2007→2009)
Google Notebook (2006→2009)
Google Page Creator (2006→2008)
Nexus Q (2012)
Pool Party and Disco
Google Buzz
Appleの失敗プロジェクトも、次のとおりです。
Apple III (1980)
Lisa (1983)
Macintosh TV (1993)
Newton (1993)
QuickTake カメラ (1994)
Pippin (1996)
iPod Photo (2004)
iPod Hi-Fi (2006)
Bluetooth ヘッドセット (2007)
ボタンのないiPod Shuffle
Ping (2010)
Facetime のオープン化 (2010)
GoogleやAppleの例を挙げましたが、両社に限らず、ほとんどのイノベーションの試みは失敗するのが現実でもあります。
では、ほとんどの試みが失敗するのであれば、イノベーションにはチャレンジしてはいけないのでしょうか?
そういうことではないと思います。
鮭は一度に3,000個の卵を産卵し、そのうちの一部が稚魚になり、成魚に育つのはさらにごく一部です。
ほとんどの卵が、成魚まで育ちません。
鮭はそれでも卵を産み続けます。
卵を産んだ時点では、どの卵が成魚になるかは全く分かりません。多くの偶然に恵まれた卵が、成魚に育ちます。
だから卵を産み続けないと、鮭は絶滅するのですよね。
同様に、アイデアがなければイノベーションの元は生まれませんし、イノベーションも決して成功しませんし、企業も存続しません。
卵=アイデア
稚魚=試行したイノベーション
成魚=成功したイノベーション
と考えると、分かりやすいのではないでしょうか?
ある知り合いの編集者の方から、「本も同じだ」とお聞きしたことがあります。
著者と編集者は、売れる本にするために、一生懸命知恵を絞って本を出しています。
しかしベストセラーになるのは、そのうちごく一部。
編集者と著者の努力に加えて、数多くの偶然が積み重なり、ベストセラーが生まれます。
そして、本を作っている時点でベストセラーになるかどうかは、決して分かりません。
それでもやはり、本を作らない限り、ベストセラーは決して生まれません。
このように考えると、企業も、つねに顧客視点で考え続け、アイデアを生み出し続け、試し、見極め続けることが必要なのではないかと思います。
実は企業にとって一番大きなリスクは、リスクを回避しようとするあまり、アイデアを試行しようとしないことだと思います。