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本のボリューム

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最近自分の外資系企業勤務経験を踏まえて、グローバルコミュニケーションについて考えをまとめています。

その一環として、米国人が書いた日本人論の原点をしっかり理解しようと考え、学生時代以来三十数年ぶりにルース・ベネディクト著「菊と刀」を読んでいます。

 

本書が英語で出版されたのは、1946年。その日本語訳は1948年。もう55年も前です。

それ以来、売れ続けています。私が買ったのは、現代教養文庫から出ているもので、1967年に翻訳を見直し、改訂したものです。

最初の翻訳は終戦直後ですが、翻訳された方は戦時中の資料などを徹底的にチェックされたそうです。

改めて読み直すと学ぶところが非常に多く、じっくり線を引いたりコメントを入れたりしながら読んでいるために、時間がかかっています。

文庫にして370ページの本ですが、ギッシリ書いていてかなりのボリュームです。

先日読んだジャック・アタリ「21世紀の歴史」も大著でしたが、本書も中身も濃く、とても読み応えがあります。

 

考えてみたら、私が学生時代に読んだ本の多くは、これくらいのボリュームがある本が多かったように思います。

昼から数時間、ずっと本を読んでいて、気がついたら夕方ということもよくありました。同じような経験をされている同年代の方も、多いのではないでしょうか?

一方である著者の方が、「現代の読者の『肺活量』が減っている。だから私は、それに合わせてエッセンスを書くようにしています」とおっしゃっていたことを思い出します。

確かに私も、多忙なビジネスパーソンが読み切れるように、本を書く場合は読みやすさと分量を優先して書くようにしています。

 

しかし、たまには大著を読むのも、じっくりと考えを深める上で、いいものだと思いました。

 

 

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