16年前のLotus Notes
昨日Notes 8について書きましたが、もう一つNotesの話題です。
私が初めてNotesを触ったのは1991年頃。Notesの初版リリースが1989年ですのでその2年後です。
まだLotusはIBMに買収されておらず、Lotus DevelopmentとIBMがパートナー関係構築を模索していた頃でした。
当時のLotus Development日本法人のビジネスは123等のデスクトップ・アプリケーションが中心で、Notesは扱っていませんでした。
IBM本社/Lotus本社の方針を受けて、来日したLotus本社のNotes担当副社長に、Lotus日本法人の経営陣と、私の上司であった日本IBMのソフトウェア製品開発部長を交えて、数ヶ月間色々と議論をしながら協業方法を模索していたことをよく憶えています。
私は日本IBMでソフトウェア製品開発部門のプランナーとして、Notesや、同じ1991年にLotusが買収したcc:Mailを様々な観点で評価しました。
現在バージョン8になったNotesは、この頃は確かリリース2。当然英語版のみ。OS/2版をフロッピー・ディスクから導入していました。
当時のパソコンは80386からi486に変わろうとしていた頃。現在、私達が当たり前に使っているWYSIWYGエディター自体が珍しかった時代です。("WYSIWYS"という言葉、既に知らない人も多いかもしれません。"What You See Is What You Get"の略です。興味のある方は検索してみてください)
英語のマニュアルや情報源も少なく、「分からないことはInternetで検索」なんてことも出来なかった頃です。手当たり次第に色々と情報を集めて、Notesのデータ構造を解析したり、DB(=アプリケーション)を作ったりしながら調べている中で、改めてNotesの柔軟性に驚かされました。当時、日本国内でNotesをこれだけ触っていた人は非常に少なかったと思います。
その1-2年後、IBMは当時のキラーアプリケーションであるグループウェア製品として、正式に全世界でLotus Notesを販売することでLotusと合意。
さらにその1-2年後の1995年にIBMはLotusを買収。e-business戦略推進の柱に据え、現在に至っています。
さて、ここ10年近く、私は毎日仕事でNotesを使っています。
私が初めてNotesを体験した当時から16年間が経過して、Notes 8を触っていると、改めて驚かされることがあります。
様々な点で飛躍的に機能拡張している反面、レプリケーション機能やデータベースを中心としたコラボレーション・ツールとしての優れた強みの部分は、初出荷から18年が経過した今でも、基本的に変わっていない点です。やはり当初の基本設計が優れていたということでしょうか。
...しかし、このような思い出話を書くこと自体、もしかしたら私も年寄りになっているということでしょうか? (__;)