日本語のブログ投稿数が世界最多だった、本当の理由は?
米国テクノラティが、2007/4/5に「2006年第4四半期のブログ投稿数で日本語が世界最多だった」と発表したことは、既に皆さんご存知のことと思います。
既に様々なブログでその理由が考察されています。
日経ITproでも、「英語を超えた日本語ブログの投稿数,その理由は?」 という記事が掲載されています。
この記事で、理由の三番目に挙げられている「(3)中産階級の厚い層」は、結構重要と思います。
しかし、ここで主に指摘されているのは生活的余裕とハードウェア的インフラです。
実は日本人は当り前に思っていることで、世界では非常に稀なことがあります。
識字率です。
日本人の識字率は限りなく100%に近いことは、皆さんよくご存知と思います。
実はこんな国、他には見当たりません。
二十数年前、当時の日本の首相が「米国には字も読めない連中が結構いて....」という発言をして問題になったことがありました。
この時、私が通っていた英会話クラスの先生だった米国人も「あの発言は許せない」と怒っていましたが、日本人の識字率はほぼ100%ということは、この先生も知りませんでした。
「日本の識字率はほぼ100%だけど....」という話を聞いたこの先生は、驚いていました。
国全体で識字率がほぼ100%というのはスゴいことです。しかも18世紀、識字率がロンドンで20%、パリでも10%未満だった時期に、江戸では識字率が70%を超えていたそうです。
日本人全体で、数百年間の知的インフラの蓄積があるということですね。
この世界では例を見ない知的インフラがあるからこそ、中国等へコモディティ製品の生産シフトが起こっても、高付加価値な製品やコア部品は日本に残っているし、2ちゃんねるのような世界にも例を見ない超巨大匿名メディアが日本でのみ存在し続けているのだ、と思います。
従って、この記事で挙げられている他の要因、
(1)日記文学・私小説の伝統
(2)世界最高水準の顔文字,アスキー・アート文化
(4)「出る杭は打たれる」社会
(5)携帯電話からの投稿が簡単
も、この知的インフラがあってこそ、ではないかと思いますが、いかがでしょうか?