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真空管をいくら研究しても、トランジスタは生まれなかった

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日本経済新聞に連載されている江崎玲於奈さんの「私の履歴書」は、このブログでも何回か紹介させていただいていますが、とても参考になります。

昨日(2007/1/15)の記事も、イノベーションを考える観点でいい材料を提供されています。以下、引用します。

---(以下、引用)---

トランジスタはその革新性と影響力において二十世紀最大の発明といっても過言ではない。これを通じて、私が学んだことは、真空管をいくら研究しても、改良してもトランジスタは生まれてこないということ。すなわち、われわれはともすれば、殊に安定した社会では、将来を現在の延長線上に捉えがちになる。しかし変革の時代には、今までにない革新的なものが誕生し、将来は創られるといえるのである。ここでは、創造力が決定的な役割を演ずることはいうまでもない。

---(以下、引用)---

言うまでもなく、真空管とトランジスタは、材質も構造も全く違います。

真空管を改善し続けること、つまり現業を発展させることは、もちろん大切です。しかし、真空管の性能を極めても、集積回路には発展しませんし、マイクロプロセッサーも生まれなかったことでしょう。

革新は全く違ったところから生まれている、ということを再認識するためには、とてもよい話であると思います。

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