「よいもの」≠「人気なモノ」なのか?
昨晩、観にいったコンサートで、マーケティングの役割について少し考えさせられました。
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築地にある浜離宮・朝日ホールで、ロシアのピアニスト、アレキサンダー・コブリンのコンサートが行われました。
叙情的な、素晴らしい演奏でした。
演奏が終わっても拍手が鳴り止まず、アンコールは数えること5回。
普通、アンコールというのは5回も行わないのではないでしょうか? アンコールだけで、後半と同じ位の時間弾いていました。1曲弾き終わるたびに舞台袖に引っ込んではまた登場し、最後はちょっと笑っていましたが、全く手を抜かない演奏でした。
演奏会の後はCDのサイン会。家に既にあるのと同じCDをバックアップ用に買い、サインの間に「素晴らしい演奏会でした」と言ったところ「サンキュー」と答えてくれました。
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ただ、これだけ素晴らしいピアニストにも関わらず、あまり人気がありません。
定員500名の浜離宮・朝日ホールで、観客は半分ちょっとでした。
Googleで「コブリン」と検索すると、3番目と6番目は彼でない「コブリン」がヒットし、7番目に私が書いたこのエントリーが出ることからも、あまり世の中ではメジャーでないことが分かります。(2006/11/14現在)
しかし、色々な見方があると思いますが、素人である私から見ても、世の中でもてはやされている有名ピアニストと比べると、テクニック、表現力とも明らかに上だと思います。
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これは、
- よいものが、必ずしも世の中で人気があるとは限らない
- 逆も真なり。世の中で人気があるものが、必ずしもよいものとは限らない
ということなのでしょうか?
もしかしたら、後者についてはマーケティングが一役買ってしまっているのではないかと思ったりします。
私は、「過剰にお化粧すること」が本来のマーケティングの役割ではないと思います。
いかに真の姿が持つ価値を、その価値を求めているお客様に伝え、実現させるか、が、マーケティングに求められていることだと思います。
その前に、いかに真の姿があるべき価値を持つようにするか、ということも、マーケティングに求められる大切な役割なのではないでしょうか?
関連リンク:ロシアの天才ピアニスト、コブリン