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「よいもの」≠「人気なモノ」なのか?

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昨晩、観にいったコンサートで、マーケティングの役割について少し考えさせられました。

■ ■ ■ ■

築地にある浜離宮・朝日ホールで、ロシアのピアニスト、アレキサンダー・コブリンのコンサートが行われました。

叙情的な、素晴らしい演奏でした。
演奏が終わっても拍手が鳴り止まず、アンコールは数えること5回。

普通、アンコールというのは5回も行わないのではないでしょうか? アンコールだけで、後半と同じ位の時間弾いていました。1曲弾き終わるたびに舞台袖に引っ込んではまた登場し、最後はちょっと笑っていましたが、全く手を抜かない演奏でした。

演奏会の後はCDのサイン会。家に既にあるのと同じCDをバックアップ用に買い、サインの間に「素晴らしい演奏会でした」と言ったところ「サンキュー」と答えてくれました。

■ ■ ■ ■

ただ、これだけ素晴らしいピアニストにも関わらず、あまり人気がありません。

定員500名の浜離宮・朝日ホールで、観客は半分ちょっとでした。

Googleで「コブリン」と検索すると、3番目と6番目は彼でない「コブリン」がヒットし、7番目に私が書いたこのエントリーが出ることからも、あまり世の中ではメジャーでないことが分かります。(2006/11/14現在)

しかし、色々な見方があると思いますが、素人である私から見ても、世の中でもてはやされている有名ピアニストと比べると、テクニック、表現力とも明らかに上だと思います。

■ ■ ■ ■

これは、

  • よいものが、必ずしも世の中で人気があるとは限らない
  • 逆も真なり。世の中で人気があるものが、必ずしもよいものとは限らない

ということなのでしょうか?

もしかしたら、後者についてはマーケティングが一役買ってしまっているのではないかと思ったりします。

私は、「過剰にお化粧すること」が本来のマーケティングの役割ではないと思います。
いかに真の姿が持つ価値を、その価値を求めているお客様に伝え、実現させるか、が、マーケティングに求められていることだと思います。

その前に、いかに真の姿があるべき価値を持つようにするか、ということも、マーケティングに求められる大切な役割なのではないでしょうか?

 

関連リンク:ロシアの天才ピアニスト、コブリン

 

Comment(6)

コメント

最近、これから行う業務の関係上、バイラルマーケティングには大変興味を持っております。

バイラルマーケティングを行う上でMM21さんがおっしゃられる以下の言葉はその通りかなと思います。

>「過剰にお化粧すること」が本来のマーケティングの役割ではないと思います。
いかに真の姿が持つ価値を、その価値を求めているお客様に伝え、実現させるか、が、マーケティングに求められていることだと思います。

外為ドットコム、ドゥハウスの「台所フォーラム」など化粧をしない消費者に対して良いサービスを提供することによって、効果の高いマーケティングが実現するのかも知れないですね。

 他に、今あるインフルエンサーを活用してのマーケティング(これは全社・後者の間にあるグレーな部分ではございますが)も注目しているマーケティング手法であると感じております。

田中さん、
コメントありがとうございました。
おっしゃるように、バイラル・マーケティングのように消費者と直接関わりあっていくマーケティングの場合は、会社のas-isの姿が判断材料になってきますね。

こぶらー

永井さん、あの会場にいらしたのですね。
私も行ってました。
お客さん半分も入ってなかったですよね~。
2階席はほとんど人いなかったですよ。
すごいピアニストだけど、コブリンやっぱり地味だからかな・・・・。
特に後半のクライスレリアーナは、かくーっ!と折り曲げた背中から妖気がただよってくるような名演でした!
冒頭の情熱と狂気の爆発から、第2曲の夢見るような美音・・・第6曲の愛する人との安らぎのひと時のような場面・・・最後の第8曲、気が狂った末に魂の抜け殻になってしまった最終音まで、心の内面をさらけ出し、告白されているような、本当に一瞬たりとも気が抜けない演奏でした。
さらに素晴らしかったのはアンコールの「音の絵」!
さすがロシアのピアニストという感じで、もう音の色彩の嵐でした。数少ない聴衆のほとんどは熱烈コブリンファンかもしれませんね。鳴り止まない拍手に照れ笑いを浮かべていたクールなコブリンが印象的でした。

こぶらーさん、コメントありがとうございました。
同じ会場にいらしたとは、凄い偶然ですね。
>>特に後半のクライスレリアーナは、かくーっ!と折り曲げた背中から妖気がただよってくるような名演でした!
前半は背筋を伸ばして軽く弾いていたように感じていましたが、後半になって背中を折り曲げて弾く姿勢になっているのを見て「おお、戦闘モード突入か?」と思ってしまいました。

>>鳴り止まない拍手に照れ笑いを浮かべていたクールなコブリンが印象的でした。
普段はクールな表情のコブリンが、さすがにちょっと笑っていましたね。ただ、「やっぱり笑い慣れしていないのかな?」と思うようなぎこちない笑いでしたが。それもまたいいですね。

こぶらー

そうですね。いつまでも初々しい気持ちを忘れないでもらいたいですね。特にクラッシックの演奏家に顕著な傾向なのですが、若いうちにコンクールなどで華やかな成績をあげて、もてはやされた人に限って、残念ながら伸び悩むことが多いようです。・・・・まあ、コブリンのようにちょっと地味めなピアニストはそうならないとは思いますが・・・・。まだ20代の彼もこれからが大変ですね。また一瞬の美しい幻影を見させてもらいたいです。そうそう、ショパンのスケルツォ全曲とファンタジーのはいった新しいCDも素晴らしいですよ。ただし、ライブのコブリンのほうが数倍いいですけどね!

こぶらーさん、クラシックにかなりお詳しそうですね。
私は最近始めたばかりなので、何もかも新鮮です。
これからも色々と書かせていただくと思いますので、よろしくお願いいたします。

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