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緻密な計画よりも、大雑把な計画の方がうまくいくらしい

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米国人とプロジェクトを進める場合、あまりにも計画が大雑把すぎて、当惑する方も多いのではないでしょうか? 実は私もそうでした。

実際、米国でのプロジェクトの進め方を大雑把に述べると、

  • 大体の方向性のベクトルを合わせて、とりあえず始めてみる
  • 進捗状況のチェックポイントのスケジュールを予め決めておき、そこで適宜方向修正する
  • チェックポイントでは、必ずしも詳細な資料は求められない。(口頭の説明でもOKの場合が多い)
  • 途中でゴール設定そのものが修正されることもある

こんな感じなので、プロジェクト責任者に半年後のプランを聞くと、「こんな感じ」と非常に大まかな方向性のみについて説明を受けることが多く、より詳しい説明を求めてもちゃんとした回答が得られません。

「こういう場合、どうするのか?」「こうなった場合のシナリオは?」と尋ねても、「オー、グッド・クエスチョン。でも決まっていない」という回答が返って来るのがほとんどです。

「いいのか?それで...」と思ったりしますが、とにかくプロジェクトを始めてしまいます。そして、それなりの成果を出してしまいます。

一方で、日本での進め方はこんな感じではないでしょうか?

  • 市場状況、競合状況、お客様状況等をキッチリと時間をかけて把握する
  • 詳細な戦略・戦術をキッチリと作る
  • 関係者と十分な根回しを行う
  • その上で、実行に移す

実行に移すまでに時間がかかり、かつ、当初立てた戦略・戦術はなかなか変えません。市場の変化に柔軟に対応できないこともよくあります。

何故、米国ではこのようなスタイルになったのか、米国人に聞く機会がありました。

彼によると、このようなスタイルになったのは第二次大戦後だそうです。詳細な戦術計画を持つ部隊よりも、大まかでも柔軟性を持つ戦術計画を持つ部隊の方が勝率が高かったことが分かり、これがきっかけだったそうです。

ちなみに、第二次大戦の米国陸軍で活躍したパットン将軍も、"A good plan implemented today is better than a perfect plan implemented tomorrow"と述べています。

一方で、田坂広志さんは、著書「まず、戦略思考を変えよ」で、『「山登り」の戦略思考を捨て、「波乗り」の戦略思考を身につけよ』と述べています。(ちなみに個人的に、この本は現代の戦略に関する最高の著書の一つだと思っています)

現代の市場では「地形」そのものが刻々と変わり、「山」が突然「谷」になり、「谷」が突然「山」になってしまいます。従って「波乗り」の比喩で述べると「波乗りで向かうべき方向を定め」「乗っている波の刻々の変化を感じ取り」「波の変化に合わせて瞬時に体勢を変化させ」「波と一体になってめざすべき方向に向かっていく」戦略思考のスタイルが求められる、と田坂さんは述べています。

現代の市場の変化が激しくなってきたことで、米国のスタイルがマッチし始めている、ということなのかもしれません。

全て米国式がよい、という訳ではありませんが、このスタイルについては、我々が米国式を学ぶ価値はあるのではないかと思います。

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