口蹄疫の件でご報告です
初めまして。「みやざきつながり」事務局の一人、田中康文です。
みやざきつながりとは、「宮崎のそとにいる人同士で情報交換したい」、「何らかの形でみやざきに関心をもっている人と交流したい」、そして「宮崎に住んでいる方に、そとの方々と自然につながっていただきたい」、「みやざきに関心のある人たちと、一緒に何かを始めたい」と考えて作ったコミュニティです。東京など、主に宮崎の外で活動しています。
今、宮崎は口蹄疫で大変なことになっています。私たち「みやざきつながり」メンバーも、「非常事態宣言」直後の宮崎にたまたま帰省をかねて出張し、その様子を知ることができました。毎日が緊急事態、状況は時々刻々と変わり、残念ながら、現場に苦労を強いるバカげたこともかなり起きているようです。しかしこの「疫病」の性格上、その現状については、なかなか現場の外に伝えられることもなく、またストレートに報道されづらい状況になっています。
このブログでは、宮崎で今何が起きていて、現状はどうなのかということを、できる限りリアルタイムに発信していく予定です。私のほかにも、畜産農家の方、あるいは実際に現場で活動に当たっている方など、現場の声をどんどんアップしていければと思います。
まずは、以下、「みやざきつながり」メンバーの皆様向けにアップした、最近の状況報告をそのまま転載させていただきます。http://sns.myzki.jp/
●口蹄疫の件でご報告です(6/1)
宮崎から東京に戻り、「できることはすべてやりたい」という気持ちで動きを進めていたところ、畜産のご関係者が急遽上京。宮崎でお目にかかったご縁で、本当に微力ながら、少しだけサポートさせていただきました。
農業関係の全国団体による調整で、民主党あるいは農林水産省を回られ、また団体の会長会議で発言されるなどしたのですが、私自身もこの日程に同行させていただき、さらにその他代議士訪問、新聞、雑誌、テレビによる報道の調整を試みました。
上京された方は、ご自身も大変な中で必死に語り、伝える。実際に起こっているすさまじい現実、前回対応との比較、被害拡大の防止策、金融支援策、再生プランの必要性などについて、何度も何度も丁寧に語る。
行政、国会議員の方々、そして何より農業経営に携わっているご関係の方々。最初は温度差だらけの空間が、時に言葉を失い、時に熱くなりながら、それぞれができることを考えて、動いていこうとされる、そんな人の気持ちが伝わっていく現場に立ち合わせていただきました。
一方で、難しい局面も目の当たりにしました。
私自身ができるだけ効果的におつなぎしたかったのがテレビや新聞報道の方々なのですが、ちょうど沖縄が中心イシューとなる中で、テレビでは「枠がなく」伝えにくい状況。ちょうど「口蹄疫特措法」が成立する前後だったこともあり、その様子を見極めようというムードでした。また農水や社会部担当の新聞記者の皆さんは、福島大臣罷免、赤松大臣不信任案の動向取材に借り出されていきました。その鏡の表側ですが、国会も異常事態のなかで、議員の先生方も政府幹部もさまざまな案件に忙殺されていました。
当然宮崎では、県・市町村行政や現場の皆さんも奮闘中。
私自身がもっとも強く感じたのは、皆が善意で動く中にあって、結局は「現場に苦労を強いる予定調和」が露呈している基調にはほとんど変化がなく、問題は拡大を続けていたのではないかということです。
対策本部の設置で、あるいは口蹄疫特措法で、「一応大丈夫なんじゃない?」と安心しがちなムードですが、当然まだ新規発症と被害の拡大は続いています。新聞・雑誌の次の関心は、「特措法がうまく機能するか」、「短期、および中長期の農家への経済支援、地域再建は大丈夫か」という二つを軸に、取材を固めているようです。
ある記者さんからの電話で、「心から拡大がとまることを祈っています。対策が進んでいないという記事は書きたくありません」という言葉が印象的でした。
台湾で、2週間で300万頭(要確認)の家畜を全滅させた口蹄疫。川南は、1ヶ月でまだ十数万頭(要確認)に抑えていとのこと。これは専門家によると、現場だけでやりとげるには「奇跡」の努力だといいます。24時間消毒し、殺処分が終わったら近隣の支援に走り、必死に防戦。10kmと言っても、実際には3~4kmの爆心地で守られているそうです。
しかし、限界は近づいている、というか超えてないのが不思議です。事例を聞くたびに、私自身は言葉を失い、傍聴しながら少し涙も流しました。私の新入社員時代みたいに、もう分けわかんないまま突っ立って、右往左往している感じだろうか、などと想像してしまいます。
報道にあるとおり、ワクチンを打ったからといって、新たに発症しないわけではありません。また、真っ先に死んでいった子豚たちは、比較的元気なままの親豚と違って生きたまま穴に追い込んで殺戮することもできず、石灰をまかれたままで放置されているとのこと。カラスなどを介した拡大の懸念もあるようです。政府等への要望では、だぶついている冷凍コンテナの活用が入っていました。20日前から要望されていたそうです。
殺して埋めれば、そもそも個体では弱いウィルスは、その力を失い、なくなっていくとのこと。まずは爆発的な感染源となる豚の処分が急務。特措法と平行して新田原基地、農業大学校などの敷地が確保され、必要分を埋める場所は用意されたと聞きます。どんどん埋設を進めてほしいものです。「みやざきつながり」の義援金は、現場の埋設作業への協力などに使っていただけるはずです。
私自身、圧をかけて必死につながせていただき、まったく何の知識も接点もないところから、いくつかの大事なつながりをつくりました。「みやざきつながり」の楽しい企画をはじめ、私自身の生計を担うせっかくの企画がまた後回しになりました(笑)が、本当に微力ながら、動きながら考え、次につながせていただくお手伝いをさせていただいたつもりです。後は、1ヵ月後、3ヵ月後の局面を考えながら、普段の小さな「みやざきつながり」にできることは何か、あらためてあらちょ/事務局(荒川)をはじめとする皆さんと考え始めようと思います。
宮崎にはよく雨が降るし、いずれ梅雨も来ます。ぬかるんだら作業は止まり、埋める作業が進みません。まずはこれから1週間、10日の動向が勝負だと聞きます。「みやざきつながり」のメンバーで、現地で穴を掘ったり追い込んだりのご苦労をされている方からお電話もいただいていますが、現場の皆さん、是非頑張って下さい。システムの目詰まりやもつれもどんどんほぐれてほしいものです。
私の不安が杞憂で終わり、後でからかってもらえるよう、また、いち早く「がんばろう!宮崎」といけることを心から祈っています。