時間短縮による会議効率化の副作用 その2
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前回のエントリーでは、会議の効率化 = 時間短縮と定義した会議設定の例を紹介しました。
このような会議を通じて生まれる副作用とはどのようなものでしょうか?
前回ご紹介したやり方で上がってきた各社からの提案。
でも、「ほんの少しだけ、どこかがちがう」「少しピントが合っていない」という違和感が残るアウトプットになってしまうことが多いのです。理由は簡単。資料ベース、言葉ベースの情報咀嚼だけでは、言葉にできない組織の感覚が十分には共有されないからです。
こういうとき私たちは、資料を紙にして説明するのではなく、パンフレットの制作者にも、自分たちが意見を交わしている普段の議論の場に同席してもらうところからはじめます。それも一度きりではなく、何度も出席してもらい、場合によっては、議論の輪の中に入ってもらったりもします。そうすることで、チームメンバーの考え方や価値観はもちろん、企業の方向性や感覚を肌で感じ取ってもらうのです。
その結果、制作者は、「こういう感じ」「こういう雰囲気」「こういう方向性」「こういう価値観」といった、言葉ではいい表せない「なんとなく」の部分をしっかりと共有した上で、チームメンバーとほぼ同じ感覚をもってパンフレットの制作に取り組むことができるようになります。結果、修正や戻しの作業が激減するのです。
感覚まで共有する仕事の進め方は、一見したところでは無駄が多いです。しかし、アウトプットがもたらす効果などを考えれば、実際に合理的で効率に優れることがあります。きわめて短期的な視点で合理化を追求すると、そこが見えなくなってしまうのです。
結果、本来は全員で感覚として共有しておかなくてはならない組織の方向性や価値観の部分が、「共有できているつもり」で終わってしまい、そこから生じた「なんとなく」のズレ、「なんとなく」の違和感が、組織やチーム運営のいたるところに巣くってしまうのです。
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この「なんとなく」のズレ、「なんとなく」の違和感は、放っておいても解消されません。
時間とともにむしろ亀裂は大きく広がり、見えない負の力となって組織やチームの推進力を損なったり、メンバーのストレスになったりしてしまいます。
「なんとなくチームがうまく機能していない」「なんとなくちぐはぐな状態」の改善に貢献できるのが、「ビジネスキャンプ」という我々が提唱している手法です。「ビジネスキャンプについては、このブログで随時、紹介していきたいと思います。
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