オルタナティブ・ブログ > めんじょうブログ―羊の皮をかぶった狼が吠える >

シリコンバレーのサムライ・ウルフが、イノベーションについてつぶやきます。(時々吠えることもあります。)

シリコンバレーのスーパーエンジェル関連の情報提供サービスを開始

»

私の会社(ネットサービス・ベンチャーズ、以下NSV、www.nsv.com)は、シリコンバレーに本拠を置いてシリコンバレーでのベンチャー育成を進めながら日本企業への未来事業コンサルティングを行ってきた。

10月19日にプレス発表したのだが、シリコンバレーを中心に急拡大を続けるソーシャル、モバイル系のベンチャー企業の開拓及び事業開発のサービスを日本企業に提供するプログラムを開始した。まずは、ミクシィ(Mixi)が参加し、すぐ後にオプト(Opt)が続いて参加した。NSVの関連ベンチャーキャピタル(VC)である米ブルペン・キャピタルへの出資を、NSVを通じて行うことで、ソーシャル、モバイル分野の情報を早く、広く、深く得るとともに、NSVはベンチャー・スキャン手法のノウハウの提供や、新事業、新サービスの提案をミクシィとオプトに対して行うものだ。このプログラムはTechCrunch Japanでも取り上げられたので、ご記憶の方もいらっしゃることと思う。(TechCrunch_NSV-Bullpen

米国のソーシャル、モバイル分野のベンチャー創造は活況を呈しており、将来に示唆を与える数々の新事業が続々と誕生しているが、日本企業には的確な情報がなかなか入って来ないという問題があった。更には、ソーシャル、モバイル分野におけるベンチャー投資は、ここ数年台頭してきた「スーパーエンジェル 」と呼ばれる新しいVC群が中心的な役割を担うようになってきており、投資家にならない限り以前にも増して情報が入りにくい状況となっている。NSVの関連企業であるブルペン・キャピタル(Bullpen)は、スーパーエンジェルの投資案件のフォロー投資をするVCであり、スーパーエンジェルとの幅広いネットワークを有するため、有益な情報にアクセスできる強みがある。

VCは投資リターンを得ることが目的であるため、新規事業の種となる情報には豊富にアクセスできる一方で、事業会社に対し戦略的な情報提供及び事業提案を行うことは重要と考えておらず、能力的にも不可能だった。NSVは、「ファンド・オブ・ファンズ 」(Fund of Funds)と呼ばれる手法を利用することによりブルペン・キャピタルに出資し、投資案件情報を優先的に得ると同時に、ミクシィやオプトの戦略課題に取り組むことができる仕組みを開発した。NSVは、日本の大手ハイテク企業へのコンサルティングを多く行う一方、シリコンバレーで多くのベンチャー企業を育成する経験を持つ。この経験を活かし、現地でのネットワークとノウハウからこのような「戦略的ファンド・オブ・ファンズ」の運営が可能となった。

NSVの戦略的ファンド・オブ・ファンズには、ミクシィとオプトに続きさらに数社の参加が予定されている。

NSVでは多くの大手日本企業に未来事業のコンサルティングを提供してきたが、実行の第一歩を躊躇する企業が多いのが課題だった。今度NSVの開発した戦略援助のユニークな仕組みは、参加企業の実行が前提となっている。日本を代表するネット企業であるミクシィとオプトがこの仕組みに真っ先に参加されたことの意義は大きい。活動を開始してまだ数カ月だが、ブルペン・キャピタルからの情報は予想以上に質量共に充実しており、ミクシィやオプトへの戦略案の検討ではすでに大きな手応えを得ている。この活動を通じて立ち上がるミクシィやオプトの新事業のニュースが発表されるのももうすぐだと思う。乞うご期待!

ミクシィ社長の笠原健治氏からは以下のようなコメントをいただいた。
「ソーシャル関連市場は発展拡大時期にあり、スマートフォンの普及に伴い、より新たな事業機会が広がりつつあると考えています。その中で、シリコンバレーに根を張りながら日本企業へのコンサルティングに定評があるネットサービス・ベンチャーズ社(NSV)と連携することには大きな意義があると考えています。NSV社が関係するブルペン・キャピタルは、日本企業がなかなか入りづらいシリコンバレーのコミュニティの中心で活躍しているVCであり、NSV社との連携がミクシィのさらなる発展に大きな役割を果たしてくれるものと期待しています。」

Comment(0)