ユーザーの情報ニーズを満たすためには
検索ポータルといわれる巨大サイトが、現在ネット業界の中心ですし、今後バーティカルサーチやアグリゲイターなどが大きな勢力になっていくと思われます。これらは、オリジナルサイトの情報を、整理してみせるということに注力したサイトといえます。
キーワードやトピックに即して関連情報を並べたり、ある領域の情報のみを更に細分化したテーマでみせたり、新着順に並べたりということです。
既に、情報量が個人では手の施しようのないほど大量なため、情報の収集・整理ということが、大きな価値をもち、更に今後益々大きな価値をもっていくことになると思われます。
「検索エンジンただ乗り論」に対する違和感は、<情報の価値=情報自体の価値+アクセシビリティ/ユーザビリティ>というユーザー認識とのズレから生じる気がします。USの大新聞が、こういう論調であるのは、アクセシビリティが所与と認識されているためでしょう(大新聞がもつ巨大な発行部数があれば、大量情報の中に埋もれることなく、情報をマスに伝えることができる)
フィルタリングにしてもサーチにしても、ある種の機械的編集ですが、それらがネット上では、情報そのものと拮抗する価値を持ち始めたということをクールに評価することは重要です。
バーティカルサーチやアグリゲイターが最終形かというと、そうではなく、個人の情報ニーズを満たすための一パターンに過ぎないと思えます。
個人の情報ニーズというときに、情報収集のニーズに目が行きますが、情報発信というのは、その対をなす情報活動といえます。この情報ニーズを満たすためには、個対個、個対多、多対多というような用途・目的に応じた受発信の環境を提供することが必要と思います。
情報ニーズの違う側面としては、コンシャスなものだけでなく、アンコンシャスなニーズに気づかせる工夫が、更に大きな好奇心を産み出すことがあります。自他の検索・閲覧履歴や、その傾向分析値を把握できるわかり易い仕掛けが、これまで認識しなかった新たな興味を喚起することでしょう。
本来ワンピースである前述「情報の収集、発信、分析」を全てシームレスに満たせるようなインフラ、フレイムワークを、面白く使いやすい形にしたソリューションこそが、最終形として、市場のスタンダードになるように感じます。
巡回ロボット、フィルタリングエンジン、各種サーチエンジンなどを使いこなし、能動的に情報収集し、自ら情報もシュートし、レーダーや各種計器を取り扱うように、分析結果を把握できるようなコックピットイメージのサービス。
こういうコックピットを使いこなせるユーザーというのは、かなり成熟した個人であり、こういうセグメントの成長とシンクロする形で、ビジネス規模のサービスが誕生するのではないでしょうか。