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英国ロンドン発のニュースなど

紙というメディアの限界(4)

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何かが書かれてから、読者のもとに届くのに時間がかかる、というのも紙媒体の欠点の一つです。もちろん、多少時間がかかってもかまわない情報も多いのですが、ニュースを扱った媒体となると、なかなか厳しいものがありますよね。

たとえば、2005年をにぎわしたメディア企業の買収に関するニュースでは、敵対的買収の発表、それへの対抗策、さらに、それへの対抗策という風に事態は二転三転していきます。

しかし、週刊誌などでは、記事の最終締め切りから、印刷、出版、配本に1-2日かかるため、その間の情報は誌面に反映されません。そのため、最も新しい展開をフォローし切れていない記事が掲載されることになります。ですから、ニュース・サイトなどで、事の推移をウォッチしてきた読者は、「これはいったい、いつの時点の情報をもとにした記事なんだろう」と考えこんでしまうことになります。

「このニュース、どこかで読んだなぁ」という「既視感」ならば、まだ救いがあるのですが、完全に遅れた情報に基づいた記事が、最新号に掲載されているのは困りますよね。

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